ワシントン・タイムズ・ジャパン

“立憲共産党”に反応した立憲民主党

 共同通信の「第2回トレンド調査」によると、比例代表で「立憲民主党に投票する」と答えた人の割合は、前回調査と比べて若干上昇したようです。その一方で、ツイッターをなさる方であれば、「トレンド」欄は否が応でも目につくはずです。週末は「立憲共産党」という、一見すると不思議な用語がトレンド入りしていましたが、これは一体どういうことでしょうか。


●自民対立憲民主、格差は「3対1」より縮まった?

 選挙期間中であるにも関わらず、共同通信が再びこんな調査を実施し、報道しています。

比例自民29%、立民11% 衆院選、共同通信世論調査


―――2021.10.24 19:40付 共同通信より

 これは、先週の『「立憲民主は自民の3分の1を上回るか」に注目したい』でも取り上げた、共同通信による「トレンド調査」の「続報」のようなものでしょう。

 これによると、共同通信社が23日と24日の両日実施した「第2回トレンド調査」によれば、比例代表の投票先については自民党が29.9%(前回比+0.3)、立憲民主党が11.6%(前回比+1.9)だった、という話題です。

 前回調査だと、自民党と立憲民主党にちょうど3倍の差が開いていた格好ですが、今回は立憲民主党が少し「支持」を伸ばし、計算上、両者の格差は3倍以内に収まりました(ただ、それでも自民党に投票すると答えた人は、立憲民主党に投票すると答えた人の、約2.6倍ですが…)。

 この点、前回・2017年10月22日の第48回衆院総選挙では、比例区で自民党が獲得したのは1856万票で議席は66議席でしたが、立憲民主党は1108万票で議席は37議席でした。1議席あたり、自民党は28万票、立憲民主党は30万票を要した計算で、得票率は33%対20%でした。

 しかし、今回の総選挙で両党の得票率が29.9%対11.6%だったと仮定し、有効投票数が前回とまったく同じ5575万7552票であり、かつ、30万票でそれぞれ1議席が得られると仮定するならば、自民党は56議席、立憲民主党は22議席、という計算です。

 ただし、前回の衆院選で17%を獲得した「希望の党」に相当する政党が存在しないことを考慮に入れるならば、その分の補正は必要ですので、仮に立憲民主党の得票率が11.6%だったとしても、立憲民主党は22議席より上積みすることは可能でしょう。

●「立憲共産党」にかみつく立憲民主党

 いずれにせよ、個人的な興味点としては、自民党がある程度、前回よりも議席を減らす可能性は高いと思われるにせよ、それ以上に、立憲民主党が前回総選挙、あるいは公示前勢力以上に議席を獲得することができるか(あるいはできないか)には注目したいと考えているのです。

 この点、『甘利明氏「自由民主主義か共産主義」に立憲民主党反論』でも指摘しましたが、野党の場合は立憲民主党が日本共産党との「閣外協力」で合意しているため、小選挙区では与党候補者が苦戦し、野党候補者が勝利をおさめるケースも出てくるかもしれません。
 ただ、こうした立憲民主党の日本共産党との選挙協力に関しては、前の副総理でもある麻生太郎総理が「立憲共産党」という用語を使って「痛烈に批判した」と、朝日新聞系のスポーツ紙『日刊スポーツ』が報じています(※ただし、具体的な候補者名については、当ウェブサイトでは言及しません)。

■【衆院選】麻生太郎氏が痛烈「あちらは立憲共産党」応援演説で野党共闘批判


―――2021/10/22 20:43付 Yahoo!ニュースより【日刊スポーツ配信】

 こうした麻生総理の発言のためでしょうか、ツイッターでは土曜日から日曜日、「立憲共産党」という用語がトレンドに上がり、一時はこれに関連し、数万というツイートがなされていたようです。

 ただ、これに噛み付いたのが、立憲民主党の公式ツイッターです。

立憲民主党 =#変えよう


「立憲共産党」がトレンド入りしていたので、さすがに反応します。麻生さん、批判するなら政策にしませんか。
「立憲共産党」という政党はありません。共産党さんにも失礼です。
みなさん、貴重な一票を無駄にしないでください。みなさんが支持する政党に投票してください。

―――2021年10月23日 17:13付 ツイッターより

 ずいぶんとお怒りのご様子ですが、立憲民主党と日本共産党が閣外協力を含めた政策協定を結び、選挙協力をしていることは事実でしょう。

 もちろん、「立憲共産党」などという政党は、公式には存在しませんが、それと同時に「立憲共産党」は、立憲民主党と日本共産党が緊密に協力しているという状況を形容したに過ぎません。

●参院山口補選で自民党は勝利も…

 それはさておき、昨日は衆院選の事実上の「前哨戦」に位置付けられていた参院補選がいくつか行われたそうですが、このうち林芳正氏の衆院「鞍替え」に伴う参議院議員辞職に伴う山口での補選では、自民党前職の北村経夫候補(※公明党推薦)が野党の新人2人を破り、当選確実となったと報じられています。

■参院山口補選 北村氏が盤石の勝利 衆院選自民に勢い


―――2021/10/24 20:57付 産経ニュースより

 その一方、静岡での補選については、自民党の若林洋平候補(※公明党推薦)候補と無所属の山崎真之輔候補(※立憲民主党・国民民主党が推薦)の両名が競っているそうです(※本稿執筆時点では山崎氏優勢、あるいは山崎氏当確との一部ツイートもあります)。

 この点、山口選挙区の補選で自民党が勝利したことについては、産経ニュースは「自民に勢い」などと報じていますが、もともと同選挙区では自民党が強い地盤を持っていることから、山口という特殊事例で全国の自民に勢いがつくというほど単純なものではないと思います。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 さて、『菅は菅でもカン違い、集客力は段違い=総選挙応援演説』などを含め、当ウェブサイトでは常に申し上げてきたことですが、本稿でも末尾に、いつものこんな「呪文」を置いておきます。

①内容に同意できない新聞を購読しないようにしましょう。
②内容に同意できないテレビを視聴しないようにしましょう。
③選挙では必ず投票しましょう。

 結局のところ、日本という国は自由・民主主義国家であり、この国をより良くしていくためには、「りせっとぼたん」を押すのではなく、現在の良いところを引き継ぎ、悪いところを少しずつ手直ししていくしかありません。

 この点、地道に人々が選挙で投票し続ければ、まず組織票に強い政党が徐々に淘汰されますし、また、国会議員で居るだけのことが目的化している利権野党議員が徐々に駆逐され、こうした野党議員がいなくなれば、与党議員にも緊張が走り始めます。

 これに加え、かつては偏向報道の末に、政権交代まで実現させてしまったことがある日本のマスメディア(あるいは「オールドメディア」)の社会的影響力が徐々に減っていけば、どこかの段階で、日本は飛躍的に良くなるはずだ、と、著者自身は信じているのです。

(もっとも、そのときまで当ウェブサイトを続けていられるかどうかはわかりませんが…。)


「新宿会計士の政治経済評論」より転載
https://shinjukuacc.com/20211025-02/

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