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緊急事態の延長、ワクチンと感染防止を両輪に

 新型コロナウイルス感染対策で東京、大阪など9都道府県に発令されている緊急事態宣言がきょうから20日まで約3週間延長される。ようやく拍車が掛かってきたワクチン接種との両輪で感染を抑え、収束への道筋を付けていきたい。東京五輪・パラリンピック開催の成否も懸かっている。

 9都道府県を対象に

 延長されるのは北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県。東京と関西3府県は2回目の延長だ。沖縄県に発令中の宣言の期限にそろえた。まん延防止等重点措置の対象となっている埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県の期限も6月20日に延長。群馬、石川、熊本3県の重点措置は6月13日のままとした。

 菅義偉首相は「全国の新規感染者数は減少に転じているが、依然として予断を許さない状況だ」と説明。「これからの3週間は感染防止とワクチンの二正面作戦の成果を出すための極めて大事な期間だ」と述べた。

 また東京五輪については「多くの方々の不安、懸念の声をしっかり受け止め、安全安心の大会に向け取り組みを進める」と改めて強調した。五輪開催のためにも、この3週間は極めて重要な期間だ。新型コロナとの戦いにおいてはワクチンが攻めであり、感染対策は守りだが、攻守相まって初めて、今の戦いを乗り切ることができる。

 ワクチン接種は、自衛隊が運営する東京や大阪での大規模接種を弾みに加速がついてきた。31日には東京の会場で都内の居住者に加え埼玉、千葉、神奈川に住む65歳以上に、大阪会場でも府内全域に拡大された。両会場で自衛隊が最大に想定する1日当たり計1万5000人の接種が行われた。

 自治体が独自で行う大規模接種が神戸市などで始まっている。米モデルナ製ワクチンを使っての接種も宮城、群馬、愛知の3県で始まっている。

 菅首相は「6月中旬以降は打ち手も含め(1日)100万回に対応できる体制ができてくる」と明言している。歯科医師だけでなく、薬剤師なども打ち手に加えられるように知恵を絞ってほしい。有事の意識を持って慣例にとらわれない柔軟な対応が求められる。

 懸念されるのが変異株の拡大だ。英国型からさらに感染力が高いとされるインド型に置き換わりつつあると言われるが、ファイザー製などワクチンの有効性は保持されているようだ。

 菅首相は6月中に高齢者接種のめどの付いた自治体から一般接種が始まるとの見通しも示した。高齢者接種は重症患者の増加を減らし、医療体制の逼迫(ひっぱく)を防ぐ鍵だが、一般接種が進まなければ収束は見えてこない。職場や大学などでの集団接種も進めていくべきだ。

 早急な支援に尽力を

 新たな支援策としては、事業者の資金繰り支援のため、公庫などの無利子無担保融資を年末まで延長し、雇用調整助成金の特例措置を7月も継続。生活困窮世帯への新たな支援金の支給も進める方針だ。苦境に立つ事業者や生活困窮者に支援金ができるだけ早く渡るよう政府や自治体は力を尽くしてほしい。

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