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緊急事態延長 総力挙げワクチン接種加速を

 政府は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令中の緊急事態宣言を5月末まで延長し、愛知、福岡両県を12日から対象に加えることを決めた。変異株による新型コロナウイルスの拡大を極力抑え込み、切り札となるワクチン接種を総力を挙げて加速していく必要がある。

 変異種に置き換わり

 大型連休中の対策で人流は減少した。しかし、感染レベルは引き続き高い水準にある。原因は、感染力がより強いとされる変異ウイルスに置き換わっていることが大きいと専門家はみている。関西圏で感染急拡大の原因となった変異ウイルスは、東京でも4月後半に5割を超え、現在は7割に迫っている。

 厚生労働省の専門家組織は、関西圏では従来株から変異株に置き換わったと推定され、東京都や愛知県でも置き換わりが進んでいると分析している。東京での変異ウイルスの疑い例は、4日までの累計で2789人で、大阪を上回った。

 菅義偉首相は「大型連休が終わり、通常の時期に合わせて高い効果の見込まれる措置を徹底する」と強調。酒類とカラオケ設備を提供する飲食店への休業要請を継続し、客が酒を持ち込む店も対象に加える。

 休業を要請してきた生活必需品売り場を除く百貨店やショッピングセンターなど床面積1000平方㍍超の大型商業施設については、午後8時までの営業時間短縮へ要請内容を緩める。ただ具体的対応は各知事が感染状況を踏まえて判断するとしており、東京都と大阪府は12日以降も、百貨店など大型商業施設、ゲームセンター、パチンコ店など遊戯施設に対し引き続き休業を要請する。

 ただ変異ウイルスによる感染拡大の速さなどから、宣言の延長でどこまで感染を減らすことができるか危ぶむ声も少なくない。今回の宣言で人流は2回目の宣言時よりは減ったが、1回目と比べると増加している。

 国民の中にコロナ慣れ、コロナ疲れがあるためとみられる。政府は、より感染力が強く重症化しやすい変異株の脅威を国民とりわけ若い世代にもっと強く訴えるべきだ。連休中の人出も若い人が圧倒的に多かった。

 政府に今一番求められているのは、総力を挙げてワクチン接種を加速させることだ。

 菅首相は「安心した日常を取り戻すことができるかどうかはワクチン接種にかかっている。私自身が先頭に立って接種加速化を実行に移す」と語り、24日予定の自衛隊の大規模接種センターの運営開始後、1日100万回の接種を目標にすると明言した。さらに「7月末を念頭に、希望する高齢者に2回の接種を終わらせるよう自治体をサポートしていく」と語った。政治生命をかけて果たしてほしい。

 一人一人が対策徹底を

 政府分科会の尾身茂会長は「ワクチンが高齢者に接種されるまでがものすごく重要だ。それまでは政府は今まで以上に汗をかいてもらいたい」と注文をつけた。同じことは国民一人一人に求められている。いまが国の将来を左右する重大な期間と考えて、感染対策の徹底、テレワークの実行など努力を惜しまないようにしたい。

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