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緊急事態再延長 緊張感持ち感染対策徹底を

 政府は、新型コロナウイルス対策として東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県に発令していた緊急事態宣言を2週間延長することを決めた。収束への道筋が見えるかどうかの正念場であり、緊張感を持って感染対策を再度徹底していきたい。

4都県で下げ止まり

 菅義偉首相は「感染拡大を抑え込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間だ」と国民に理解を求めた。首都圏の病床使用率がなお高い水準にあること、新規感染が下げ止まっておりリバウンド(感染再拡大)の恐れが否定できないとの専門家の意見を踏まえての判断とみられる。

 主な対策として、飲食店の営業時間を午後8時までとし、協力店舗に1日6万円を支給、不要不急の外出自粛、テレワーク推進で出勤者7割削減、イベントの上限を5000人、収容率を50%とすることなどを引き続き行う。感染拡大の兆候を速やかに把握するため、無症状の人を対象にしたPCR検査(モニタリング検査)も始める。

 ただ飲食店にターゲットを絞っての感染対策が一定の効果を上げる一方、その限界も見えてきている。厚生労働省の専門家組織は、4都県の1週間の新規感染者数を前週と比較した数値に、このところ上昇傾向がうかがえ、「2月中旬以降、感染者の減少スピードが鈍化した」と結論付けている。

 下げ止まりの原因の一つとして専門家組織が懸念を抱くのが「見えにくいクラスター(集団感染)」だ。繁華街などに不特定多数の人が訪れ、匿名性が高く、感染源を追いにくいという特殊性が壁となっている。

 専門家組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は、感染リスクの高い繁華街に検査スポットを設け、利用してもらうことが有効と指摘している。こうした積極的な取り組みが必要だ。

 減少ペース鈍化については、人々の危機感、緊張感が薄らいでいるとする指摘もある。それを端的に示すのが、人の移動の増加だ。宣言期間前の1月7日に比べ、期間中の2月25日の方が横浜駅、新宿駅で人出が増えている。一種の慣れが生じていることは否定できない。

 特にこれからは、卒業式や企業の歓送迎会の時期に重なる。梅や桜が開花する行楽シーズンも始まる。外出や人と会う機会が増えても、感染対策を忘れないようにしたい。緊急事態宣言が再延長されても、基本的には適度な緊張感を持って対策を徹底することが、感染を抑え込むポイントであることに変わりはない。

 新型コロナ収束の鍵となるワクチン接種は、医療従事者を対象に始まっており、4月12日から全国の高齢者に対して開始する。「4月末からは規模を大幅に拡大する」と首相は説明している。ワクチンに不安を抱く人々もいる中、迅速できめ細かい情報提供が欠かせない。

収束への道筋付けよ

 高齢者へのワクチン接種が始まるまでの期間、首都圏で感染を抑え込むことができれば、全国的な感染収束への道筋も付けられるのではないか。その先には東京五輪・パラリンピックの開催も見えてくる。

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