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日米豪印、中国念頭に安保連携強化を

 日本と米国、オーストラリア、インドで構成される「クアッド」の枠組みで、月内にもオンライン形式で初の首脳会議が開かれる。就任1カ月を迎え、外交問題に力を入れ始めたバイデン米大統領の呼び掛けによるもの。日米豪印は首脳会議で結束を確認して「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現に尽力すべきだ。

 近く首脳会議開催へ

 クアッドは、インド太平洋地域で海洋進出を強め、覇権主義的な動きを示す中国を念頭に、4カ国が安全保障面で協力する非公式な枠組み。首脳会議は、バイデン氏の対中外交の本気度を示す試金石になる。

 このほど行われた4カ国外相の電話協議では、茂木敏充外相が中国海警局の武器使用権限を明記した海警法制定に深刻な懸念を表明。東シナ海や南シナ海問題について、中国の一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致した。

 沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海への侵犯を繰り返す海警局は、2018年に軍の指揮下に組み込まれ、もはや「第2海軍」と呼ぶにふさわしい実体だとされる。排水量1万㌧級の船舶が配備され、退役した軍艦を改装して再利用する事例もある。

 海警法の施行で東シナ海のほか、中国が領有権を主張する南シナ海でも周辺国との緊張が高まる可能性がある。日米豪印は中国に毅然(きぜん)とした態度を示し、結束して行動することが求められる。

 FOIP構想を打ち出した安倍晋三前首相は、地域の安定的な成長には航行の自由や法の支配などの価値観を浸透させる必要があると考えた。中国による海洋進出が進む中、シーレーン(海上交通路)の安全を確保する狙いがある。

 4カ国は19年9月に米ニューヨークで初の外相協議を開催した。中国を念頭に「ルールに基づく秩序の維持と促進に向けた海洋の安全保障、質の高いインフラ」などについて、緊密に協力していくことで一致。20年11月には、インド洋のベンガル湾で13年ぶりに4カ国の海上共同訓練を実施した。安保連携を一層強化すべきだ。

 菅義偉首相とバイデン氏は先月末に電話会談した際、4カ国の協力強化を確認。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、クアッドによる協力が「インド太平洋地域における米政策の基礎となる」と述べた。

 ただ、トランプ前政権が打ち出した中国政府系教育機関「孔子学院」への監視強化方針をバイデン政権が撤回したことは気掛かりだ。政権内でケリー気候問題担当特使やライス国内政策会議(DPC)委員長ら対中穏健派の影響力が強まった場合、中国への強硬路線から協調路線に転換する恐れもある。

 日本は厳しい対中姿勢を

 対中外交で懸念が残るのは、いまだに習近平国家主席の国賓来日中止を正式表明しようとしない日本も同様である。

 中国共産党政権による人権弾圧や膨張政策を見れば、習氏を国賓として迎えることなど決してできないはずである。尖閣に関しても公務員常駐などの実効支配強化策を進め、中国に厳しい姿勢で臨むべきだ。

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