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各党代表質問 「自助」「共生」の論戦深めよ

 衆院本会議で菅義偉首相の初の所信表明に対する各党代表質問が行われ、立憲民主党の枝野幸男代表、自民党の野田聖子幹事長代行らが質問に立った。

 自民党総裁選を受けて発足した菅内閣と、立憲民主と国民民主などの合流で結党した立憲民主党との新たな与野党の枠組みで迎えた臨時国会の論戦に、新型コロナウイルスがもたらす社会変容に対処する前向きな成果を期待したい。

 弱者、農村、地方を重視

 枝野氏は新たに党をスタートさせたところで「新自由主義的な社会の中で光が当たってこなかった皆さんのための政治」を強調し、首相や自民党内で描かれる「自助・共助・公助」の社会像を批判しながら、立憲の党綱領に謳(うた)う基本理念である「共生社会」をアピールした。

 この中で枝野氏は、新型コロナ感染拡大で収入源を失い、人生の展望を失ったとの学生の声や、女性・若者の自殺の増加、人口減少や地域の疲弊などを引き合いに「自助で生きていけない人が増えている」と批判し、「ベーシックサービスを全ての人々に保証する」と訴えることで自民党との争点を示そうと努めたと言えよう。

 コロナ禍で困窮する生活者に焦点を当て、また旧民主党以来の政治勢力が、平成時代の大不況下での無駄を省く再編・統廃合で生じた勝ち組・負け組など格差拡大問題、都市と農村の地域間格差問題などに取り組んできた流れを受けて、弱者、農村、地方を重視する姿勢を改めて打ち出した。

 近づく衆院選挙を念頭に野党第1党としての自負が働くことは理解できる。枝野氏は故中曽根康弘元首相の進めた国鉄民営化など行政改革以来、自民党が競争、民営化、効率性など新自由主義的政治を追求したと解釈した。対抗軸として掲げた「共生社会」がどう判断されるかは、国会論戦や選挙での有権者に対する訴えに懸かっている。

 特に「自助・共助・公助の順番は昭和の時代の成功体験にとらわれた時代体験ではないのか」として、人口や消費の減少などで変化した今日の社会に適さない古い考えのように枝野氏は批判した。

 国家像や社会像をめぐる政治論戦は重要だ。しかし、聞こえの良い「共生社会」を枝野氏らは政権にあった旧民主党時代にも党理念に据えたものの、政権の混乱の中で挫折している。保育士の給与5万円増額、介護士の給与1万円増額、コロナ対策で年収1000万円以下の所得税免除などの提案も財源に踏み込んだ議論が必要だ。

 一方、枝野氏および続いて質問に立った泉健太政調会長も、立憲は「右でも左でもない」と主張したが、日米同盟を重視すると言いながらも沖縄県・辺野古に建設中の米軍普天間飛行場の移設基地に反対するなど左翼迎合をごまかしている。

 「左でもない」は詭弁

 共産党がいち早く反対した日本学術会議会員候補6人の首相の任命拒否についても、枝野氏は首相を追及した。

 安保法制反対以来の共産党との共闘に区切りを付けずに「右でも左でもない」は詭弁(きべん)にすぎない。

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