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河井夫妻逮捕 驕り緩み猛省して出直せ

 東京地検特捜部は、昨年7月の参院選で地元県議らに現金を渡し、票の取りまとめを依頼したとして、自民党を離党した衆院議員で前法相の河井克行容疑者と妻で参院議員の案里容疑者を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。

 2人は容疑を否定しているが、第201通常国会の閉幕翌日の電撃逮捕は、政治とカネの問題の根深さを浮き彫りにした。安倍晋三首相、菅義偉官房長官をはじめとする首相官邸と自民党は猛省し、緊張感を持って本分を果たしてもらいたい。

襟正すのはまず官邸

 首相は国会閉幕会見で、2人の逮捕について「大変遺憾。かつて法務大臣に任命した者として責任を痛感している」と述べて謝罪。その上で「われわれ国会議員は改めて自ら襟を正さなければならない」と強調した。しかし、襟を正すべきはまず官邸であり、自民党であるはずだ。

 2人の買収疑惑は昨年の参院選で案里容疑者の陣営が車上運動員に支払った違法な報酬事件の捜査過程で浮上したが、この件では広島地裁が案里容疑者の公設秘書に執行猶予付きの有罪判決を下している。

 国民の代表を選ぶ選挙は民主主義の根幹だ。2人の容疑内容が確定していないとはいえ、選挙の正当性に疑いの目が向けられることの意味は大きい。

 首相の再登板後の在任期間はあと1週間で7年半となる。これは自民党が民主党から政権を奪還してからの期間と等しい。案里容疑者陣営への1億5000万円支援、検察庁法改正案への対応、唐突な陸上イージス導入停止などの背景に、長期政権の驕(おご)りや緩みがあるのは明らかだ。猛省して出直すべきだ。

 17日に閉幕した通常国会は新型コロナウイルス対策に忙殺されたが、与党と共産党を除く主要野党の協力で、緊急事態宣言の根拠となる改正新型インフルエンザ対策特別措置法に加え、1次、2次の大型補正予算を成立させた。自粛要請に従った多くの国民の協力もあって緊急事態宣言は解除され、感染防止と社会経済活動を両立させる「新しい日常」の確立に向かっている。与野党はこれを円滑に進めるため、閉会中審査を積極的に活用すべきだ。

 一方、憲法改正論議は今国会でも停滞し、衆院憲法審査会での自由討論1回に終わった。参院に至っては2018年2月以来、一度も実質審議が行われていない。

 立憲民主党などの野党がコロナ対策を口実に消極的対応に終始したためだが、そのコロナ感染拡大によって、憲法に明記された国会議員の任期や本会議開催のための定足数が緊急時に国会の機能を縛る恐れがあることが現実味を帯びてきた。このような憲法の不備を正すことは国会議員の重大な使命だ。

安保も閉会中審議を

 中国は65日以上にわたって沖縄県・尖閣諸島沖の接続水域に海警局の船を送り込み、日本領海内で漁船を追尾するまでに至っており、核・ミサイル開発を一向に放棄しない北朝鮮が再び韓国との緊張を高めている。このような安保危機にどう対応するのか。閉会中でも国会で議論することは山積している。

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