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そろそろ北朝鮮侵攻を真剣に議論すべきときではないか

 今月5日、拉致被害者である横田めぐみさんの父親の横田滋さんが亡くなりました。愛娘を誘拐され、43年間会えぬままで他界されたご無念を思うと、本当に他人事とは思えません。こうしたなか、横田めぐみさんの母親の横田早紀江さん(84)と、弟の横田拓也さん、哲也さん(ともに51歳)が6月9日、記者会見を行い、とくに哲也さんは「40年以上何もしてこなかった政治家や、拉致なんてないと言ってきたメディア」を批判しました。


●横田めぐみさんの父の無念

 拉致被害者の横田めぐみさんの父親・横田滋さんが今月5日に亡くなりました。

 娘を誘拐され、43年間会えなかった横田滋さんのご無念を思うと、本当に他人事とは思えませんし、改めて沸々と怒りが湧いてきます。

 もちろん、「怒り」を抱く最大の相手は拉致を実行した北朝鮮ですが、北朝鮮による犯行に気付いていながらそれを黙殺して来た人たちに対しても同様に怒りを抱きます。

 こうしたなか、『FNNプライムオンライン』というウェブサイトに昨日、フジテレビ報道局上席解説委員の平井文夫氏がこんな記事を投稿しています。

■「何もやってない人が政権を批判するのは卑怯だ」43年間拉致問題を放置した政治家とメディアに対する横田哲也さんの怒り


・私たちは43年間めぐみさんを放置した
・めぐみさんの弟哲也さんの怒り
・自分の娘が拉致されたら<<…続きを読む>>
―――2020年6月10日 18:00付 FNNプライムオンラインより

 記事のリード部分にある、「私たちは」は、「私たち一般国民は」、という意味ではありません。おそらく「私たちメディア関係者は」、という意味でしょう。というのも、平石の文章では、冒頭にこうあるからです。

「横田めぐみさんの父、滋さんが43年間娘に会えず亡くなった。安倍首相は『申し訳ない思いで一杯だ』とコメントしたが、少し泣いているようだった。僕も記者のはしくれとして横田さんに申し訳なく思った。」

 この文章を読み、個人的には「メディア関係者として、よくぞ言ってくれた」という思いでいっぱいです。

●平井氏なりの「反省」?

 安倍晋三総理大臣が政治家として一貫して拉致問題に関わってきたことは、知らない人は少ないでしょう。ところが、メディアの報道などを眺めていると、安倍総理が「拉致問題で何も努力していない」などと批判する人がたくさんいるからです。

 平井氏は横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された3年後の1977年、産経新聞の阿部記者が「日本人が拉致されている」というスクープを発表した際、当時野党第一党だった社会党はもちろん、自民党ですらこれを相手にしなかったとしたうえで、

「僕も半信半疑でメディアもほとんどが知らんぷりだった」

と、「メディアの罪」に正面から向き合っているのです。

「結局2002年に当時の小泉首相が訪朝し金正日に謝罪させるまで25年間、我々日本人は拉致問題を放置していたのだ。本当に恥ずかしいことだ。そしてその後18年間我々は再び放置した。」

 くどいようですが、この「我々」とは、「我々日本国民」ではなく、「我々メディア関係者」、という意味でしょう。

 平井氏は今週出演したテレビ番組で、「そのまんま東」こと東国原英夫・宮崎県元知事が拉致問題を巡って政府を批判した際、

「拉致問題の進展がないことを安倍さんのせいにするのはおかしい」

と思ったそうですが、9日に行われた横田めぐみさんのご家族の会見で、弟である横田哲也さんが、問題なのは安倍政権ではなく「40年何もしてこなかった政治家や、北朝鮮は拉致などしていないと言い続けたメデたィアだ」、「何もやっていない人が政権批判するのは卑怯だ」と述べたという点を引用します。

 実際、平井氏のこの記事からは、横田哲也さんの「メディアの責任」という発言を受けた自省の念がにじみ出て来ます。

●拉致問題で議論しなければならないこと

 ところで、拉致問題を巡っては、わが国のメディアの報道、特定野党のスタンスは、「いかにして北朝鮮と交渉して拉致被害者を返してもらうか」、「いかにして北朝鮮と交渉して拉致問題の真相を教えてもらうか」、といった視点に立っているように思えてなりません。

 しかし、こうした視点は、発想自体が大きな間違いです。

 警察が誘拐犯に対して、「あなたが誘拐した被害者を解放してください」、「もしあなたがよろしければ誘拐事件の全容を教えてください」、「何なら身代金も払いますよ」、などと「交渉」することはあり得ません。誘拐犯の意思に関係なく、誘拐被害者を救出したうえで誘拐犯を拘束し、自供させるはずです。

 拉致事件もこれとまったく同じで、私たちが本来議論しなければならないことは、「いかにして北朝鮮に軍隊を派遣して強制捜索するか」、です。そこに北朝鮮政府の意思はまったく関係ありませんし、北朝鮮の意志などかけらも尊重する必要などありません。なぜなら北朝鮮は犯罪国家だからです。

 つまり、私たち日本国民が有権者として議論しなければならないのは、「北朝鮮とどう交渉するか」ではなく、「北朝鮮に軍事侵攻するためには日本の法制度をどう整えるべきか」であり、「それを阻む勢力をどうやって排除するか」です。

 また、少なくとも拉致被害者全員を取り返すことは必要ですし、拉致という犯罪行為に対して賠償をさせることも必要ですが、それだけでは不十分です。

 北朝鮮のなし犯罪を調べ上げて裁くために、北朝鮮の現在の最高責任者である金正恩(きん・しょうおん)を含めた北朝鮮高官らの身柄を拘束して日本に連行し、日本国内で刑事訴追しなければなりません(※もっとも、金正恩が現在、生きているのか死んでいるのかわかりませんが…)。

 現在の日本国内の体たらくを見るにつけ、日本が武装して「戦争ができる国」になるにはまだまだ時間がかかるのかもしれませんが、諦めてはならないのです。


「新宿会計士の政治経済評論」より転載
https://shinjukuacc.com/20200611-04/

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