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辺野古設計変更、移設実現へ着実に工事進めよ

 防衛省沖縄防衛局は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画について、埋め立て海域の軟弱地盤改良に伴う設計変更を沖縄県に申請した。

 一連の工事には9年以上の工期が必要となるほか、関連施設の整備などでさらに約3年かかる。普天間の返還時期は政府が目指していた2022年度から30年代にずれ込む見通しだ。抑止力維持と危険性除去のため、工事を着実に進めて移設を実現する必要がある

沖縄県は認めない構え

 設計変更は、地盤強化のため7万本超のくいを打つほか、護岸の形状を変更して作業を効率化するなどの内容。防衛省の有識者会議は2月、設計を変更しても水質や振動が大きく変わらないため、サンゴやウミガメなどの生物に与える影響について変更前と「同程度またはそれ以下」との結論を出した。

 河野太郎防衛相は「十分に検討された内容だ。沖縄県が適切に判断いただくと思う」と申請の適正性を訴えた。一方、玉城デニー知事は「対話に応じず、工事手続きを一方的に進めようとすることは到底納得できない」と強調。埋め立てに反対する県側は変更を認めない構えで、政府は県の不作為の違法確認訴訟で対抗する方針だ。

 辺野古移設をめぐって、これまでも国と県は法廷闘争を繰り返してきた。16年12月には、埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事(当時)が是正指示に従わないのは違法として、国が知事を相手に起こした訴訟の上告審判決で、最高裁が知事側の上告を棄却。先月には、国土交通相が裁決で取り消した埋め立て承認撤回の効力回復を県が求めた訴訟の上告審判決で、最高裁が県側の上告を棄却した。

 辺野古移設の目的は、抑止力を維持しつつ地元の基地負担を軽減することだ。沖縄は朝鮮半島や中国をにらむ要衝に位置し、在沖米軍は日本だけでなく東アジアの平和と安全を守る役割を持つ。

 また、沖縄県石垣市には中国が一方的に領有権を主張する尖閣諸島がある。中国の尖閣侵攻を防ぐためにも、抑止力を確保する辺野古移設は欠かせない。

 さらに、住宅密集地に立地する普天間は「世界一危険な米軍基地」と言われる。04年8月には近くの沖縄国際大構内に大型輸送ヘリコプターが墜落するなどの事故も起きている。

 こうした危険な状況を放置することはできない。県はこれ以上、辺野古移設に抵抗すべきではないだろう。

 沖縄では昨年2月、辺野古移設の是非を問う県民投票が行われ、反対票が多数を占めた。移設に反対する玉城氏は、このことも念頭に置いているだろう。

 ただ、この時は投票率が5割強で、反対票は投票総数の7割を突破したものの、全有権者の37・65%にとどまった。県民も反対一色に染まっているわけではない。移設先の辺野古など地元3地区のように、振興策など条件付きで移設容認の立場を取る住民もいる。

県民の理解を広げよ

 国は辺野古移設について丁寧に粘り強く説明し、県民の理解を広げていく必要がある。

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