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安保法施行4年、日米一体運用の不断の向上を

 集団的自衛権行使を一部認める安全保障関連法の施行から、きょうで4年を迎えた。

 海洋進出を強める中国や核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威は高まる一方だ。自衛隊と米軍の一体的な運用性を不断に向上させていく必要がある。

自衛隊が米軍防護を実施

 かつて政府の憲法解釈では、集団的自衛権を行使できなかった。安倍晋三首相は第2次政権発足後、第1次政権で設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を再開。懇談会が2014年5月、行使を可能にするよう求める報告書を提出したことを受け、同年7月に限定容認のための憲法解釈変更を決定した。これに基づき、他国への攻撃などで日本の存立が脅かされる「存立危機事態」が生じた際、集団的自衛権を行使してその国を守ることができる安保関連法が15年9月に制定され、16年3月に施行された。

 中国や北朝鮮が軍備を急速に増強し、わが国を取り巻く安保環境は厳しさを増している。日米同盟強化のため、集団的自衛権行使の一部容認に踏み切ったことは妥当な判断だ。

 防衛省によれば、自衛隊が安保関連法に基づいて行う米軍防護は19年、計14回実施された。このうち、弾道ミサイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動による艦艇の警護が4回。日米共同訓練で艦艇を1回、航空機を9回警護した。自衛隊と米軍の一体的な運用が進んでいることは評価できる。

 安保関連法施行を受け、17年4月には新たな日米物品役務相互提供協定(ACSA)が発効し、日本周辺で警戒監視・情報収集活動中の米艦への洋上給油も可能になった。施行から4年を迎えるのに際し、河野太郎防衛相は「継ぎ目なく日米が協力し合う同盟関係を強くすることはできたのではないか」「自衛隊の国際協力の幅が広がった」と安保関連法の意義を強調した。日米の防衛協力を一層強化していくことが求められよう。

 一方、トランプ米大統領は日米同盟の「片務性」をたびたび強調してきた。昨年6月には米メディアのインタビューで「米国が攻撃されても、日本は助ける必要が全くない。ソニーのテレビでそれを見ていられる」と強い不満を口にした。今夏から本格化する在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)改定交渉は、厳しいものになると予想されている。

 トランプ氏の発言に対し、菅義偉官房長官は「日米両国の義務は同一ではなく、全体として見れば日米双方の義務のバランスは取られている」と述べた。日米安保条約第6条は、極東の平和と安全のために米軍が日本で施設や区域を使用することを認めている。これは米国の世界戦略にも大きく寄与していることは確かだ。

 しかし、トランプ氏の批判が的外れだとは言えない。安保関連法は日米が守り合うために制定されたが、それでも日本による集団的自衛権行使は大きく制約されている。

集団的自衛権全面行使を

 日米同盟を強化して平和を守るため、日本は将来的に憲法9条を改正した上で集団的自衛権行使を全面容認すべきだ。

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