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令和参院選 沖縄、若者浮動票狙い自民追撃

令和参院選 注目区を行く(4)

 「今、イデオロギー闘争で選挙をやっているのはこの沖縄県だけ。県民分断も平成で終わりだ」

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 自民新人で実業家・元日本青年会議所会頭の安里繁信は地元浦添市での出陣式で、推薦を受ける公明の金城勉県本部長、維新の下地幹郎衆院議員による熱い応援演説の後、こう訴えた。

 沖縄は改選1議席に4人が立候補したが、実質的に、自民・安里と玉城デニー知事を支える革新系「オール沖縄」が擁立する無所属新人で琉球大名誉教授、高良鉄美との一騎打ちだ。自民は、翁長雄志前知事の死去に伴う2018年9月の県知事選、同10月の那覇市長選、今年4月の衆院沖縄3区補選など主要選挙で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設阻止を旗印にするオール沖縄に連敗している。

 「究極のリアリスト」と自任する安里は、辺野古移設について、反対だけでは何も解決しないことを強調し、実現可能な基地負担軽減を目指すと訴える。「右でも左でもなく真っすぐ」をキーワードに、無党派層の取り込みに力を入れる。

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候補者の演説を聞く有権者=沖縄県庁前

 「政府の代弁者として国会に行くつもりは毛頭ない。私は沖縄のプライドを懸けて沖縄県民の思いを背負って、沖縄の声を政権のど真ん中にぶつけていく」

 10日、約1万人を集めて那覇市で開かれた総決起大会では、沖縄に対する熱い思いを語った。

 自民公認ながら、従来の“自民党的”な選挙戦とは一線を画す。街頭演説では党の街宣車の上には立たず、手作りの木箱に立つ。お決まりの鉢巻きも封印した。中央の政治家の応援も最小限にとどめる。昨年の知事選や衆院補選では政府とのパイプを強調するあまり、かえって県民の反発を買ったとの反省から、有権者目線に立つ運動を徹底している。

 「辺野古の『新基地』建設強行をストップ。これが第一の大きな争点。(政府は)沖縄の大きな大きな民意に反して工事を強行しているが、宝の海を埋め立てることは絶対に許せない」

 知事を推す共産、社民、労組など革新勢力の支持を受ける高良は、普天間飛行場の代替施設建設地の目前で第一声を上げた。演説の大半を安倍政権批判に費やし、県民の合意なしでの辺野古移設は「憲法違反」という持論を展開した。

 安全保障については、「一定程度の米軍基地は認め、日米安保を容認する」という玉城知事よりも急進的だ。石垣島への自衛隊配備に反対しており、出馬表明では日米安保破棄にまで言及した。

 7日には、知事がロック音楽を演奏する若者向けのイベントがうるま市で開かれた。高良は「憲法の上に日米安保があるのはおかしい。オスプレイやF35の購入はもったいない」と訴えたが、大半の聴衆が中高齢者だった。

 警戒するのは各種世論調査の「優勢」報道による気の緩みだ。「『オール沖縄』は連勝しているからか、受け身の姿勢になっている」(選対幹部)と自戒。「(高良が)知事と違って若者受けしない」のも懸念材料だ。

 沖縄の保守と革新の基礎票は拮抗しており、無党派層の票の動向が勝敗を分ける。「大票田の那覇を制した者が選挙を制する」と安里、高良の両陣営は口をそろえる。若者に限ると、安里に勢いが出ているが…。(敬称略)

(2019参院選取材班)

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