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令和参院選 埼玉、1増めぐり共・国 勢いに差

令和参院選 注目区を行く(3)

 改選議席が3から4に増えた埼玉。自民・古川俊治、公明・矢倉克夫、立憲民主・熊谷裕人の3人が優位に戦いを進める。

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 なかでも古川は、前回2013年の選挙が100万票を獲得する独壇場だっただけに、今回も他を寄せ付けない。

 自民としては2人擁立も十分可能だったが、「(3年前の参院選の)神奈川で2人当選させたが、それはしなかった」(選対関係者)。党本部が公明・矢倉を推薦。また、応援には8月の知事選に立候補表明したスポーツライター青島健太の姿もあり、知事選をも視野に入れる余裕を見せる。選対は「今回も100万票に近づけるようにしたい」と自信を隠さない。

 埼玉は立憲の枝野幸男代表の地元だ。枝野は7日、埼玉入りし、大宮駅東口前に集まった約300人の聴衆に向かって「少子化や生活の多様化といった世の中の変化に対し、政治は変わっていない。令和に民主主義をバージョンアップさせる」などと訴えかけると、何度も拍手が起きた。さいたま市を中心に枝野人気をうかがわせる。

 熊谷は、選挙ポスターに枝野とのツーショット写真を掲載して新人の知名度不足をカバー。枝野を最大限に利用した戦略が功を奏しているが、「投票率が50%を切るという情報もあり、油断はできない」と選対幹部は気を引き締める。

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候補者の演説を聞く有権者=埼玉県のJR鴻巣駅東口

 13年選挙で約60万票を得て2位当選した矢倉は、自公連立政権の実績をアピール。支持団体の創価学会票を手堅くまとめ、安定した戦いだ。

 公示前には、残り1議席を共産・伊藤岳と国民民主・宍戸千絵が争うとの見方が多かったが、選挙戦に入って伊藤が組織をフル動員し勢いに乗る一方、宍戸陣営の動きは鈍い。

 4度目の挑戦の伊藤は16年選挙では49万近く得票して次点に。定数増は千載一遇のチャンスだ。党も最重要選挙区の一つとして、志位和夫委員長が6月26日に引き続き、7日にも埼玉入り。この日、大宮駅西口の街頭演説会では、霧雨の降る中でも1000人を超える聴衆が駅前を埋めた。

 志位が安倍政権批判などを訴え、さらに「定数4に増えた埼玉選挙区、このチャンスを逃してなるものか」と声を張り上げると、大きな拍手と歓声が上がった。

 ただ、年金のマクロ経済スライド制を批判し、「40歳以下の方は夫婦で4万円減らされる」と強調した場面では、一瞬、会場に微妙な空気が流れた。というのも、聴衆の大半は50歳以上の中高年、高齢者。若者はほとんど見かけない会場に違和感が漂っていた。

 一方の宍戸陣営は、公示日に玉木雄一郎代表が応援に駆け付けたが、旧民進の支持労組の多くを立憲が固めたため、演説会でも熊谷と比べ運動員の少なさが目立つ。選対事務所も、支持労組や支援する国会議員の名前を書いた紙で壁が埋まる熊谷のそれと違って、支持労組はUAゼンセンなど、国会議員名も数えるほどしかない。選対関係者は「(候補者の)知名度が低い」と嘆き、「まずは顔を知ってもらう段階」と、序盤の苦戦に表情を曇らせる。

 維新の沢田良は、6日に代表の松井一郎大阪市長が来援したが、大阪での維新旋風が届いておらず苦しい戦いだ。(敬称略)

(2019参院選取材班)

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