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日豪2プラス2、中国念頭に連携を深めよ

 日本、オーストラリア両政府は外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をシドニーで開いた。共同声明には、安倍晋三首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向け、安全保障やインフラ投資などで日豪に米国を加えた3カ国の協力強化を盛り込んだ。

 日本政府は、ともに米国の同盟国である豪州を「準同盟国」と位置付けている。海洋進出の動きを強める中国を念頭に連携を深めるべきだ。

共同訓練の拡大打ち出す

 日豪2プラス2は2017年4月以来8回目。日本側は河野太郎外相と岩屋毅防衛相、豪州側はペイン外相とパイン国防相が出席した。

 共同声明では、中国が軍事拠点化を進める南シナ海の情勢について「深刻な懸念」を表明。東シナ海の情勢についても、中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入などを踏まえて「威圧的で一方的な行動に反対する」と明記した。中国が進める国際秩序の現状変更を容認しない姿勢を示したのは当然のことだ。

 インド太平洋戦略には、この地域に航行の自由や法の支配といった価値観を浸透させる狙いもある。戦略を推進する上で、民主主義国家の日豪が連携する意義は大きい。

 防衛協力に関しては、自衛隊と豪軍による共同訓練や演習の拡大を打ち出した。外相、防衛相の個別会談では、共同訓練や災害時の相互協力を定める「円滑化協定」交渉の早期妥結の方針を確認した。こうした協力強化は中国を牽制(けんせい)することにもつながろう。

 共同声明はさらに、日米豪の3カ国で「透明性があり、国際水準に適合した質の高いインフラ開発」を進めていく方針を示した。これも中国の動きを念頭に置いたものだ。

 中国は、未画定の国境線をめぐって対立するインドを取り巻くように海洋拠点を建設する「真珠の首飾り」戦略を進めている。スリランカやパキスタンでは、莫大(ばくだい)な借款を投じて港を建設し、返済の見通しが立たないとみるや、国営企業に施設を数十年間租借させる契約を結んできた。

 日米豪は地域の発展につながるインフラ支援を行わなければならない。共同声明では、日豪など11カ国による環太平洋連携協定「TPP11」の早期発効を目指す方針も確認した。

 一方、北朝鮮の核問題に関しては、完全、検証可能、不可逆的な核兵器の廃棄を目指すことで一致するとともに、北朝鮮が国連安保理制裁を逃れるため、公海上で石油精製品などを移し替える密輸取引「瀬取り」の監視で協力を確認した。北朝鮮に日本人拉致問題を即座に解決することも求めた。日豪は北朝鮮への国際圧力強化を主導する必要がある。

地域の安定に努めよ

 豪州では今年8月、モリソン政権が発足した。安倍首相は11月に豪北部ダーウィンでモリソン首相と初めての会談を行う予定だ。

 首脳間の信頼関係を深めるとともに、日豪両国は米国やインドなどとも連携して地域の安定に努めるべきだ。

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