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沖縄県知事選挙2018―中国の工作に完敗?!

 沖縄県知事選挙2018は、9月30日投開票が行われた。結果は革新候補の玉城デニー氏が圧勝。保守候補の佐喜真淳氏に約8万票の差をつけた。保守の立場で県知事選を少し分析してみたいと思う。

固め切れなかった組織票

 佐喜真候補は自民、公明、維新、希望の4党と各経済団体から推薦された。これら組織票を固めることができれば勝ち目は十分にあった。というのは前回2014年の知事選で敗れた仲井眞弘多氏と翁長雄志氏との得票差は約10万票であった。当時は公明党は自主投票となり、約10万8000票の大半が翁長氏に流れたと推測された。日本維新の会からは下地幹郎氏が出馬し、約7万票を獲得。そのため、公明、維新が推薦した佐喜真候補は組織票の票読みでは勝てるという予測が立てられた。

 しかし、蓋を開けてみると佐喜真候補は約8万票もの差をつけられ完敗した。下記のNHKの出口調査の結果から推測すると、佐喜真候補はこうした組織票を固めきれてなかったようだ。

沖縄県知事選2018

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NHK出口調査より

 出口調査の結果だが、統計学的に全体の結果もこうした傾向だと考えると、自民党支持者の実に3割近くもが玉城氏に投票している。自民党よりも熱心に選挙活動を行っていた公明票も割れている。維新の票はこのデータからは見えないが下地幹郎氏の出身地であり支持基盤である宮古島市は玉城氏と五分五分でかろうじて佐喜真氏が上回った。

宮古島市
 佐喜真淳氏  13314票
 玉城デニー氏 10961票

 公明、維新はともかくとして自民から造反者が出た原因は2つほど考えられる。ひとつめは知事候補の選考過程で感情的なしこりを残したことである。

▼選考過程の経緯はこちらに掲載している。
https://okinawamondai.com/kensei/kenren/

 当初、保守分裂の危機であったところが、佐喜真氏に一本化はされた。しかし、実業家の安里繁信氏や前南城市長である古謝景春を推す人たちは非常に感情的な反応をしていたので、もしかしたら玉城氏に投票したのかもしれない。この結果だと保守分裂した方が、彼らの受け皿ができたので、逆に玉城氏の票が割れた可能性もある。

 いずれにしても「たられば」の話なのだが、正直なところ、いくらなんでも自民支持者が玉城氏に投票する気が知れない。革新陣営は玉城氏の名前が出て来た瞬間は、やはり各革新政党は感情的な反応を示した。しかし、次の瞬間にはすぐに玉城氏で一本化し、一糸乱れぬ選挙戦を行った。「小異を捨てて大同につく」ことができない沖縄自民の支持者には困ったものだ。

 もうひとつの原因は佐喜真候補が掲げた政策にあったように思える。「基地負担の軽減」が基地問題に対するスタンスであった。「基地負担」という言葉自体が革新側が好きで使う用語である。この言葉は基地が火葬場や焼却炉のような迷惑施設と同等なニュアンスに聞こえる。基地は決して負担ではなく、沖縄、日米の安全保障上必要性があり駐屯しているのだ。そのことを訴えない保守候補には違和感を覚えざるを得ない。尖閣に今年17日も中国船が来て「領海侵犯」を繰り返しているのだ。安全保障は国の専権事項であるが、尖閣の問題は沖縄県内で起きていることなのだ。
参照:https://okinawamondai.com/kensei/okinawakenchijisen2018/

 辺野古移設についても言及を避けた。しっかり説明すべきじゃなかったのか。このことに不満を持った自民支持者が玉城氏に入れたのかもしれない。

 経済界の組織票も固めたはずだったが、佐喜真候補が訴えた経済政策が相変わらず国からの振興資金頼りの印象は否めなかった。結果的に経済の自立を訴えた玉城氏に軍配が上がった。本来、保守候補が経済の自立を訴えるべきだったのだ。佐喜真候補は「平均年収300万円」と叫んだが、抽象的すぎた。政府におねだりし、振興資金を増やしてもらって県民にばら撒くつもりなのか具体策が語られなかった。沖縄近海に眠る豊富な海洋資源の開発、実用化により年収を上げると訴えれば具体策となっただろうに。

 選挙は誰にいれようが基本的に自由であり個人の権利だが、佐喜真陣営が固定票をまとめきれなかったところが大きな敗因のひとつだろう。

無党派層の開拓は一日にしてならず

 無党派層の7割が玉城候補に投票したようだ。佐喜真候補がもう少し固定票をまとめ、無党派層のせめて5割に浸透できれば勝てた選挙だ。この無党派層に浸透するには、選挙期間中だけ頑張ってもダメだと思う。選挙期間中の無党派層への浸透は、街頭演説、選挙カー、チラシ配布、電話、ネットとあるが、玉城陣営の運動量は半端なかった。

 「玉城デニー、半端ねー。前から選挙カーが来たと思ったら、後ろ向きからももう1台来るし。超半端ねー」(わかる人だけわかってね)

 短期決戦のイメージ戦略ではメディアを味方につけている革新陣営にはかなわない。

 そのうえ、長期戦略でも無党派層の開拓は革新陣営の独壇場だ。革新陣営はメディアや教育を使い、基地反対の世論を醸成する啓蒙(洗脳)活動を日々おこなっている。それに対抗するには保守陣営も無党派層への地道な啓蒙活動が絶対的に必要だ。

 保守陣営はこれから4年間。無党派層の開拓をする覚悟が必要だ。無党派層への啓蒙は警世、歴史を中心とした事実を伝える活動でなければならない。無党派層にどうアプローチするか、しっかり戦略・戦術を持った戦いが必要だ。保守陣営の戦いはどうも行き当たりばったりに見えて仕方がない。

 幸いにしてオリンピックと同様に県知事選挙は4年後にもまた巡ってくる。オリンピックで負けた選手は、すぐに次の4年に向かって始動するだろう。次期県知事候補の選定も4年かけて行うべきだろう。オリンピック代表を選考するように、じっくり時間をかけて候補者を選定すべきだろう。「無党派層の開拓は1日にしてならず」を肝に銘じて新たにスタートしてほしい。

翁長氏は暗殺されたのか?

 ここからは筆者の妄想として読んで欲しい。あえて全く裏を取っていない話をする。というのは、今回の県知事選挙が革新側にあまりに出来過ぎたレースに見えるためである。沖縄県では大きな選挙直前になると米軍の事故や事件が起きるため、米軍陰謀説に言及する人も存在する。今回の知事選は翁長氏の急逝から始まったが、そのタイミングが絶妙過ぎるのだ。

 過去にこのブログで書いたが、翁長前知事は「辺野古移設反対」を公約としながら阻止ができず革新側やメディアから激しく突き上げられていた。もし、某国の支援で翁長県政が誕生したのなら辺野古工事を阻止できずオール沖縄陣営は首長選挙で連戦連敗。翁長氏は用済みとして某国からの暗殺危機にあるのではないかと。

 すると、あれほど健康そうだった翁長氏が急速に病弱になり急逝した。「もしかして毒でも盛られたのか?」。日本では妄想扱い、陰謀論とされても国際社会では要人の暗殺は日常茶飯事だ。果たして可能性はゼロと言えるだろうか?

 急逝したタイミングが本当に絶妙だった。1年も前から引退を宣言していた安室奈美恵さんの引退日の直前だったのだ。今年の5月に少しやつれたがまだまだ元気だった翁長氏が安室ちゃんに県民栄誉賞を授与した。感動に涙する安室ちゃんの姿は県民の目に焼き付けられた。翁長氏の急逝時に安室ちゃんは翁長氏の遺志が引き継がれることを願う趣旨のコメントを出した。この時、翁長氏と安室ちゃんがリンクされてしまった。

 沖縄県内では選挙戦前半は安室ちゃんの引退ムード一色に染まっていた。来沖した小泉進次郎氏(自民党筆頭副幹事長=当時)より安室ちゃんの方が注目された。翁長氏の弔い合戦と位置付けた玉城陣営は安室ちゃんが支持しているかの印象操作に利用した。翁長氏急逝から安室ちゃんの政治利用、玉城陣営はまさに用意周到な選挙戦を行ったように見えた。

 人はこんなに急に亡くなるだろうか?もちろん亡くなることもあろう。しかし、こんなに見事なタイミングで、まるで図ったかのように。某国の暗殺の可能性は本当にないのだろうか?

 選挙戦が始まる直前に、沖縄県は副知事が辺野古埋立許可の撤回を行った。撤回は選挙対策だと思われても仕方のないタイミングであった。急な選挙にも関わらず、玉城陣営の選挙活動はとにかくすさまじかった。これだけの人間をどうやって動員したのかと思えるほど、運動員の数が多い。選挙カー、のぼり、チラシの数は佐喜真陣営を圧倒した。選挙資金はいったいどこから出たのか?それほど湯水のように資金を投入していたように見えた。そうそう、鳩山由紀夫氏が出したという話もあったが、とにかく半端ない資金が投入されたようだ。

 ジャーナリストの恵隆之介は9月27日の「TBS NEWS」に登場した玉城デニー氏が次のように言及したと報告している。「我々には国際世論がついている!」。恵氏は国際世論とは中国発信のプロパガンダのことだと解説した。もう少し深読みすれば、中国の工作が今回の玉城デニー氏側に浸透していたと考えられないだろうか。潤沢な資金は某国から出ていると考えられないだろうか?

 公安調査庁は中国が自国に有利なように沖縄世論へ工作をおこなっていると報告している。世論への工作と言えば、世論を形成するのはメディアであることを考えれば、沖縄メディアへの工作だろう。中国の工作は世論誘導だけではなく、とうとう選挙そのものに手を突っ込んできたのかもしれない。

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