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沖縄知事選「弔い合戦」演出しメディアジャックした玉城デニー氏

 9月30日投開票の沖縄県知事選で、玉城デニー衆院議員=沖縄3区=は、沖縄県那覇市大道の故翁長雄志前知事の実家近くのホテルで出馬会見した。

玉城デニー氏

記者会見する玉城デニー氏の左隣には翁長氏の帽子が置かれていた=29日午後、沖縄県那覇市のホテル

 会見場のひな壇には、翁長氏の次男で那覇市議の雄治氏が最前列に座り、玉城氏との間の席は、「翁長知事が共にある」という意味を込めて空席だった。席上には青色の帽子が置かれていた。これは、11日に那覇市で開かれた辺野古移設反対の集会で翁長氏がかぶる予定だったものだ。

 そして、出馬表明後、玉城氏は翁長氏の自宅に向かい、仏壇に手を合わせて「力を貸してください」と祈願した。「弔い合戦」の最高の演出だ。

 出馬表明で玉城氏は、「翁長知事が命を懸けた沖縄の将来のための取り組みをしっかりと受け止めたい」と強調。普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設阻止については「翁長知事の遺志を引き継ぎ、“新基地”建設阻止を貫徹する」と述べた。

 玉城氏の出馬まではひと騒動あり、革新陣営の混乱ぶりをうかがわせた。翁長氏の後継者を選ぶ革新系の調整会議は8月17日、政党、団体、企業が候補者の無記名投票を行った。その結果、副知事ら5人の名前が挙がったが、意見がまとまらなかったのだ。

 ところが、翁長氏が生前、後継者について言及した音声データがあることが19日までに明らかになった。そこで言及されていたのが玉城デニー氏だったとされる。

 これに異議を唱えた県議会与党会派もあり、翁長氏を支える勢力は分裂気味になったが、「翁長知事の遺志を引き継ぐ」という金科玉条の下、再結集。玉城氏の出馬に向けの環境が整った。

 出馬表明は24日にも行われる予定だったが、それから5日遅れて行われた。これには、所属の自由党との調整、共産、社民、立憲民主など革新政党・団体からの支援の確約に時間をかけた側面がある。その結果、音声データの存在が明らかになった19日から出馬表明の翌日の30日まで、地元2紙(琉球新報、沖縄タイムス)は連日、玉城氏の記事を大きく扱った。メディアの露出度は、先に出馬表明した佐喜真淳氏(自公推薦)をはるかにしのぐ。

 調整会議は、「弔い合戦」の要素に加え、メディア戦略まで計算尽くしたのかどうかは分からない。ただ、玉城氏は、佐喜真氏にとっては強敵であることは間違いない。

(那覇・豊田 剛)

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