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万全の対テロ法制・組織を

 地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件で、麻原彰晃(本名・松本智津夫)を含む7人の死刑が7月6日に執行された。

 地下鉄サリン事件から23年。この事件では13人が死亡、負傷者は約6300人に上り、現在も後遺症で苦しんでいる人が多数いる。大都市で一般市民に対して化学兵器が使用された史上初の無差別テロ事件は、日本国内だけでなく世界中を震撼(しんかん)させた。前年には、長野県松本市で8人が死亡、660人が負傷する松本サリン事件もオウム真理教は起こしている。

 平成7年元旦の読売新聞が、オウム真理教の教団本部がある山梨県上九一色村から「サリン残留物が検出された」と書いた。さらに2月に入り、目黒公証人役場事務長監禁致死事件(仮谷清志さん拉致事件)もオウム真理教の関与が疑われた。麻原は警察による教団本部への強制捜査が近いと判断し、強制捜査を阻止するために地下鉄サリン事件を実行したのだ。

 地下鉄サリン事件が起きると、陸上自衛隊第32普通科連隊(当時・東京都新宿区)に出動命令が出された。第32連隊約120人の普通科隊員と化学科部隊約70人の隊員をもって編成された4個除染隊が市ケ谷駐屯地を出動。そして、無事に任務を終了し凱旋(がいせん)する。この時、社会党の村山富市首相は「災害派遣命令」で陸自を出動させた。本来ならば「治安出動命令」を出すべき事件だった。

 現在、世界中で起きているテロ事件によって多数の犠牲者が出ている。日本国内では、地下鉄サリン事件以降、テロ事件は起きていない。だが、今後も絶対にテロ事件が起きないという保証はどこにもない。

 来年はラグビーワールドカップ、2年後には東京オリンピック・パラリンピックが日本で開催される。まさにテロの格好の標的となる国際スポーツイベントが続く。地下鉄サリン事件を教訓として、日本はテロ対策(法制・組織)を万全にするべきである。日本国内で新たなテロによる犠牲者が出てからでは遅いのだ。

(濱口和久)

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