«
»

陸上自衛隊配備へ前進―石垣市長選

「オール沖縄」保守分裂生かせず

 国防や日米安保に理解を示す現職の中山義隆氏は、陸上自衛隊の石垣島への配備について「国防や安全保障は国の専権事項」という一貫したスタンスで石垣市長選に取り組み、市民の信任を得た。

海上保安庁の巡視船

石垣港に係留されている海上保安庁の巡視船

 防衛省は500~600人規模の地対空・地対艦ミサイル部隊の配備を計画。中山市政の継続を想定し、平成30年度予算案には用地取得費など136億円を計上した。

 中山氏は、石垣島を含めた南西諸島に配備計画に理解を示す。ただ、2016年に配備候補地の住民への説明がないまま容認を表明したことから、反対派の住民の反発を招いた。選挙戦では「反対する人々も含め、地元と話し合い、防衛省の情報を市民にオープンにして議論を深めたい」と話した。

 配備予定地には市有地が含まれるため、市議会(定数22)の承認が必要になる。ところが一昨年、自衛隊配備をめぐり、自民党会派が分裂し、単独過半数を割った。過半数の支持を得るには公明党の協力は不可欠となる。市議会は9月に改選となり、自民単独過半数を復活させるか、または、公明の協力を取り付けることが必要になる。

 尖閣諸島は石垣市の管轄区だ。中国は軍拡を進め「海洋強国」を目指している。今年に入ってからも中国公船の接続水域への侵入、中国機による領空侵犯が繰り返されている。昨年度の航空自衛隊によるスクランブル発進は、過去最多の1168回を記録した。そのうち約7割が南西空域だ。

 2016年に陸上自衛隊が配備された日本最西端の与那国島は、自衛隊配備によって住民に安心感が増しただけでなく、人口が増え、経済効果を実感。現在は、反対する住民はほとんどいないという。同じ国境の島として、与那国島は良い見本になる。

 一方、翁長雄志知事を支える「オール沖縄」にとっては、保守分裂のチャンスを生かせず、秋の知事選に向け暗雲がただよった。地元メディアや革新陣営は、中山氏が自衛隊配備の是非を明確にしなかったことを理由に、自衛隊配備は「民意ではない」と主張してくることが予想される。

 ただ、地元メディアが「最大争点」とし、革新候補は「ミサイル基地反対」を最重要政策に掲げた。また、中山氏が現計画を推進する国会議員の応援を受けたことを考えれば、民意は出たと言える。

(那覇・豊田 剛)

9

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。