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リレサ選手の命懸けの抗議、世界中で共感広がる

民族弾圧訴えたエチオピアの五輪銀メダリスト

リレサ選手の命懸けの抗議、世界中で共感広がる

腕を交差させるしぐさでエチオピアのオロモ人らへの連帯を示すデモ参加者=18日、ヨハネスブルク(AFP=時事)

 リオデジャネイロ五輪の男子マラソンで、出身民族を弾圧する母国エチオピアの政府への抗議を表現したポーズを掲げながら2位でゴールしたフェイサ・リレサ選手(26)に対し、世界中で共感が広がっている。銀メダリストの英雄も、祖国に帰れば「殺されるか、投獄されるかもしれない」と恐れ、凱旋(がいせん)帰国もままならない。他国への亡命を検討するリレサ選手の支援を呼び掛けるインターネットのサイトには、23日正午(日本時間)時点で約7万7000ドル(約770万円)の資金が集まり、今も増え続けている。

 エチオピアでは昨年来、最大民族オロモ人が伝統的に支配するオロミア州で、政府が土地収用を発表したのを契機に抗議行動が激化。人権団体の推計では、平和的なデモにもかかわらず、これまでに市民500人以上が治安部隊に殺害されたとされる。自身もオロモ人のリレサ選手は21日のレース後、「エチオピア政府は私の民族を殺している。親族も投獄された。私はどこにいようと、抗議を支持している」などと訴えていた。

 リレサ選手がゴールで掲げたのは、頭上で両手を交差するバツ印。オロミア州などでの抗議の際にデモ隊が示すしぐさだという。この行動には「五輪での政治的、民族的な宣伝活動の禁止」を定めた五輪憲章50条に反すると批判もある一方、「声なき人々にとって誇り」「類いまれな勇敢な行為」とたたえる声も上がった。

 リレサ選手と家族を窮状から救おうと、共感した支援者がネットで不特定多数から資金を募る「クラウドファンディング」のサイトを開設。当初目指した1万ドル(約100万円)はわずか1時間で到達し、その後引き上げた目標額2万5000ドル(約250万円)も数時間で達成した。

 エチオピアの政府報道官は22日、「五輪で政治的な立場を示すのはあり得ないことだが、帰国すれば歓迎を受けるだろう」と述べ、リレサ選手に危害が加わることはないと強調した。ただ、エチオピア政府は、オロモ人のデモ鎮圧への批判は許さない。英BBC放送によれば、エチオピアの国営メディアはリレサ選手がゴールした際の写真は報じていないという。(時事)

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