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生産量全国一の「宿根カスミソウ」絶やさない

母の日前に、被災農家は出荷のピーク

生産量全国一の「宿根カスミソウ」絶やさない

宿根カスミソウを収穫する阪本俊浩さん(左)と長男貢紀さん=4日午前、熊本県菊陽町

 熊本県のカスミソウ農家が、地震で被災しながら懸命に出荷を続けている。同県が生産量全国一の「宿根カスミソウ」は、小さな白い花を咲かす。花束を彩り、カーネーションなどの主役を引き立てるのに欠かせない存在で、「母の日」を控えた今が出荷のピークだ。

 菊陽町のカスミソウ農家阪本俊浩さん(58)は、「水が止まってひやひやした」と振り返る。約30年前から栽培を続け、妻朋子さん(53)と長男貢紀さん(20)と共に計14棟のハウスで汗を流す。2008年には県の品評会で農林水産大臣賞を受賞した。

 4月16日未明に襲った本震。ハウスに損傷はなかったが、用水路の損壊による氾濫を防ぐため水門が閉じられ、花に供給する水が絶たれた。「品質が落ちてしまう。早く流れてくれ」。祈る気持ちのまま、大雨の際にためた雨水を使い急場をしのいだ。

 一部の水門が開いたのは同30日。量は少ないが、ようやく地震前と同様に花に水をやることができた。出荷に影響は出ず、阪本さんは「不安だったけど、何とかなって良かった」と話した。

 大津町の農家林田茂さん(62)は、本震で自宅の屋根瓦が落ちるなどの被害を受け、カスミソウに水をやるためのポンプも停電で動かなくなった。出荷不能の恐れもあり、電力会社に何度も復旧見通しを尋ねた。幸い、17日夕には復旧し、収穫作業を再開できた。妻の弘子さん(63)は、「母の日の前は出荷の最盛期。枯れなかったのは幸運だった」とほっとした様子で語った。

 JA熊本経済連によると、カスミソウの出荷に今のところ、地震による大きな影響は出ていない。花の卸売会社「大田花き」(東京)の営業担当者は、「熊本のカスミソウがなくなれば困った事態になるところだった。被災農家が頑張って出荷してくれたので、全力で売るだけだ」と力を込めた。

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