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X線天文衛星「ひとみ」、打ち上げ成功

H2A30号機で、ブラックホールなど観測

X線天文衛星「ひとみ」、打ち上げ成功

X線天文衛星を搭載し打ち上げられたH2Aロケット30号機=17日午後、鹿児島県・種子島宇宙センター

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日午後5時45分、X線天文衛星「アストロH」を搭載したH2Aロケット30号機を鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。アストロHは約14分後にロケットから分離、地球周回軌道に投入された。打ち上げは成功し、アストロHは「ひとみ(瞳)」と命名された。

 ひとみは観測時の全長が約14メートルで、日本最大の天文衛星。X線天文衛星としては6代目になる。2種類の望遠鏡と4種類の検出器を搭載し、先代「すざく(朱雀)」の最大100倍の感度を達成した。高度575キロで、1周96分かけて地球を回りながら、銀河の中心にある巨大ブラックホールや、銀河が多数集まった銀河団などを観測し、宇宙の進化過程の解明を目指す。

 ひとみの責任者、高橋忠幸JAXA教授は記者会見で「熱い宇宙の中を観(み)る」という衛星のキャッチフレーズなどから命名したと説明。「高い性能でこれまでにないものが見えてくる」と期待した。

 H2Aは2001年に打ち上げが始まり、失敗は03年の6号機のみ。増強型H2Bも5号機まで打ち上げられており、成功率は合わせて97・1%に上昇した。両ロケットの製造・販売、打ち上げはJAXAから三菱重工に移管されており、同社が中心の打ち上げは今回で20回目。

 三菱重工の阿部直彦宇宙事業部長は「高い信頼性を武器に世界の市場で戦っていきたい」と話した。JAXAの奥村直樹理事長は「高い精度、総合力が強み」と述べ、三菱重工と開発中の次期ロケットH3について「より強くしていく」と語った。

 30号機では名古屋大や三菱重工、九州工業大がそれぞれ開発した3個の超小型衛星も相乗りで打ち上げられ、分離後に電波を発信していることが確認された。

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