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「かにパルサー」で電波とX線が同時に増強

国際研究チームが発表、放射メカニズムの解明に期待

「かにパルサー」で電波とX線が同時に増強

ハッブル宇宙望遠鏡で撮影したかに星雲。中心に電波やX線を灯台のように放射する「かにパルサー」がある(NASA、ESA提供・時事)

 高速で回転し、灯台のように放射する電波やX線が地球で周期的に観測される「かにパルサー」では、電波が散発的に強まる「巨大電波パルス」が発生した際、X線も同時に強くなることが分かった。理化学研究所や広島大、米航空宇宙局(NASA)などの国際研究チームが9日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 パルサーの本体は大質量の恒星が寿命を迎えて超新星爆発を起こした後、残った超高密度の小さな中性子星。かにパルサーは1054年の超新星爆発で生じた、かに星雲の中心にある。

 広島大の木坂将大助教によると、中性子星は強い磁場やプラズマ(電離ガス)に包まれている。巨大電波パルスやエネルギーが高いX線の増強が起きるのは、多数のプラズマの塊が合体し、大きく成長するのが原因の可能性があるという。

 瞬間的に届くX線の観測は困難だったが、NASAの中性子星用X線観測装置「NICER(ナイサー)」が2017年に国際宇宙ステーションに設置されて実現。宇宙航空研究開発機構(JAXA)や情報通信研究機構の電波望遠鏡との連携で今回の発見に至った。電波やX線の放射メカニズムの解明が進むと期待される。

 巨大電波パルスは遠い宇宙から強い電波が突然届く「高速電波バースト」の正体ではないかとの見方もあった。しかし、理研の榎戸輝揚チームリーダーは「パルサーの回転エネルギーを起源とする巨大電波パルスと同じ理論モデルでは、X線の放出エネルギーが桁違いに大きく、説明が難しい」と指摘。「高速電波バーストは、中性子星の中でも回転が遅く、磁場が非常に強い『マグネター』から生じる可能性が高まった」と話している。

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