ワシントン・タイムズ・ジャパン

トルコ人ランナーのオズカヤさん「みんな一つ」

遭難事故以来の「友好の町」和歌山・串本で聖火をつなぐ

トルコ人ランナーのオズカヤさん「みんな一つ」

トーチを手に走るトルコ出身の聖火ランナー、ドゥルナ・オズカヤさん(右)=9日午前、和歌山県串本町(時事)

 「トルコ友好の町」として知られる本州最南端の町、和歌山県串本町で9日、トルコ人女性がランナーとして聖火をつないだ。町役場で国際交流員を務めるドゥルナ・オズカヤさん(33)は出走を前に、「私が走る姿を見て、体の色や言葉、宗教の違いがあっても、みんな一つなんだということを感じてほしい」と訴えた。

 串本町とトルコとの友好の原点は、1890年のトルコ軍艦「エルトゥールル号」の遭難だ。トルコの訪日親善使節団を乗せた同艦は、同町沖で台風による猛烈な波と強風を受け沈没。住民らの懸命の救助活動の結果、乗組員約650人のうち69人が救出された。その後、犠牲者の追悼式典などを通じて友好関係は深まり、町はトルコの2市町と姉妹都市提携している。

 黒澤明監督の映画「羅生門」に感銘を受け、大学に入り直して日本語を学んだドゥルナさんは、町がトルコ人職員を募集していると知り、「日本との関係をもっと発展させたい」との思いから応募した。現在は国際交流イベントでの通訳などを担当している。

 来日した当初、町の人たちは家や家電、家具など生活に必要なものを全て手配してくれた。恩返しのため何かしたいと考え、聖火ランナーへの応募を思い立ったという。

 新型コロナウイルスの影響で東京五輪への海外客受け入れが断念されたことを、「オリンピックは世界の友好の象徴。外国の人たちが来られないのはとても寂しい」と落胆する。それでも、「町とトルコの友好という国際交流の形を、皆さんに知ってもらいたい」と期待している。

 トルコと日本の国旗を振り応援する観衆に笑顔で応え、コースを走り切ったドゥルナさん。「町民の皆さんが応援してくれたので、楽しく走ることができた」とすがすがしい表情で語った。

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