ワシントン・タイムズ・ジャパン

初の緊急事態宣言発令からきょうで1年

先見えぬコロナ収束、変異株の拡大に「局面が変わった」

初の緊急事態宣言発令からきょうで1年

マスク姿の人たちが行き交う大阪・道頓堀=1日、大阪市中央区(時事)

初の緊急事態宣言発令からきょうで1年

1年前、緊急事態宣言発令前日の銀座4丁目交差点(左、2020年4月6日撮影)と、2度目の宣言が解除された現在の様子=6日、東京都中央区(時事)

 昨年4月に新型コロナウイルス対策で初の緊急事態宣言が発令されてから7日で1年。収束の見通しが立たないばかりか、変異ウイルスの流行もあり「第4波」突入が現実味を帯びる。ここにきて国民の間の「緩み」が表面化。対策の効果が表れにくくなってきた。

 「あの時、違う判断をしていれば」。感染症専門家や政府関係者が分岐点として口をそろえるタイミングがある。昨春の緊急事態宣言は新規感染者数の減少を受け5月25日に全面解除。その際、専門家から「6月中旬まで続けるべきだ」との意見が相次いでいたのだ。

 分析では接触機会の削減などをさらに3週間程度行えば、欧州経由とみられるウイルスが消滅する可能性が指摘された。

 一方、幅広い業種に休業を求めたことで、経済は大打撃を受けた。当時の安倍政権も後継の菅政権も早急に手当てが必要だとの判断に傾き、需要喚起策「Go To トラベル」などを進めた。

 夏に感染の「第2波」、11月から今年1月にかけ昨春をはるかに上回る「第3波」が発生。2回目の緊急事態宣言に至り、もぐらたたきの様相を呈する。

 「あと3週間続けたら、もう少しコントロールできていた」。政府関係者は、経済の実情を考えれば当時の解除判断はやむを得なかったと断りつつ、こう悔やむ。

 政府は新型コロナ対策の特別措置法改正を進め、宣言に準じた対応が可能な「まん延防止等重点措置」を新設。今月5日から大阪、兵庫、宮城の3府県で初適用した。「切り札」とみるワクチンも12日から高齢者向け接種を始める。

 ただ、昨春には見られなかった新たな「足かせ」も生じている。

 一つは感染力の高まりが指摘される変異ウイルスの出現。大阪と兵庫では既存ウイルスとの置き換わりが進行しているとされる。

 政府の専門家会合メンバーは「局面が変わった」と断言。首都圏で広がれば過去にない「感染爆発」につながると危惧する。菅義偉首相は5日の参院決算委員会で「強い警戒感を持って対応する必要がある」と述べた。

 もう一つが事態の長期化に伴う「コロナ疲れ」。今年の再宣言では昨春と比べ出勤者や繁華街の人出の減少が小幅にとどまり、全面解除直後の東京都内は花見の名所などがごった返した。厚生労働省職員も深夜まで宴会を続けたことが発覚。自粛呼び掛けが届きにくくなっているのは明らかだ。

 「昼夜問わず人流が増え、変異株の問題もある。以前より厳しい状況に直面している」。新型コロナ分科会の尾身茂会長は6日の国会答弁で警鐘を鳴らし、高齢者のワクチン接種にめどが立つまで「国全体が一丸で大きな(感染の)山を防ぐことが重要だ」と訴えた。

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