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神格化されたスター選手「マラドーナ」の素顔

ドキメンタリー映画 「デエゴマラドーナ 二つの顔」

神格化されたスター選手「マラドーナ」の素顔

映画「ディエゴ・マラドーナ 二つの顔」

 2020年に急逝したサッカーのアルゼンチン代表で監督として活躍したスター選手ディエゴ・マラドーナのドキュメンタリー作品。アルゼンチンの貧しい街の子供から、サッカーを通じて世界的なプレーヤー、スター選手にのし上がっていく姿を追ったものとなっている。

 マラドーナがいかに成功したか、そして転落しつつも愛されたのか。

 印象的だったのが映画の前半部分で、「ディエゴとマラドーナのふたりがいる。(私は)ディエゴにはついていくが、マラドーナにはついていけない」という証言が衝撃的だった。

 サッカーを愛するディエゴと問題児としてのマラドーナ。

 最初の頃は、純粋なサッカー選手としてプレーしていたが、自分のプレーが評価されるにしたがい、周囲の雰囲気が一変していく。それに戸惑いながらもサッカーができることを楽しんでいたように思えるのだ。

 しかし、イタリアのナポリのサッカーチームに移籍すると徐々にマフィアの影が見え隠れするようになり、コカインに頼るようになり、いつしか薬物中毒となりマフィアに利用されるようになっていく。

 マラドーナ自身は、薬物中毒から抜け出して純粋にサッカーがしたいという思いが強かったが、精神的に追い詰められていく。いや、自分で追い詰めたのかもしれない。

 悲劇だったのが1990年のイタリアW杯でアルゼンチンがPK戦の末イタリアを破ったことで完全にイタリアでの居場所を無くしてしまったことだ。

 映画では、マラドーナが活躍した当時のイタリアサッカーの問題点もあぶりだしてもいる。

 監督はドキュメンタリー作品では定評のあるアシフ・カパディア。

 公開は2月5日より緊急ロードショー。

(佐野富成)

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