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SNSのトランプ米大統領の排除に懸念の声

「危険な前例をつくった」、規制強化議論にも影を落とす

SNSのトランプ米大統領の排除に懸念の声

携帯電話に表示されたトランプ米大統領のツイッターアカウント=2020年8月(AFP時事)

 インターネット交流サイト(SNS)大手のツイッターやフェイスブックが、暴力を扇動しているとしてトランプ米大統領のアカウントを停止したことに懸念の声が上がっている。IT企業がネット上で行使できる力の大きさを如実に示した形で、規制強化議論にも影を落としている。

 「われわれを黙らせることはできない!」。8日にツイッターから永久追放されたことを受けて、トランプ氏は強く反発する声明を出した。トランプ氏は主要SNSから締め出され、これまでのように奔放な言動で人々の注目を集める術を事実上失った。

 排除されたのはトランプ氏にとどまらない。グーグルとアップルは、トランプ氏の支持者が集う右派SNS「パーラー」について、暴力的な投稿の放置を理由にそれぞれのアプリストアで配信停止した。アマゾン・ドット・コムもサービス提供を打ち切り、パーラーは11日以降、接続不能に陥っている。

 上院商業科学運輸委員会のウィッカー委員長(共和)は15日、IT企業に意思決定の過程を説明するよう求める質問状を送付。投稿に対する法的責任からSNS企業を保護する「通信品位法230条」の改正をちらつかせ、「政治的に偏った検閲と思われる行為で、利用者や公人の声を封殺したことについて、米国民は透明性と説明責任を求める権利がある」と迫った。

 ドイツのメルケル首相やメキシコのロペスオブラドール大統領ら他国の指導者も民間企業による公人の締め出しに苦言を呈した。

 ツイッターのドーシー最高経営責任者(CEO)は13日、ツイッターへの投稿で、トランプ氏のアカウント停止は「正しい決定だった」と訴える一方、「われわれは健全な議論を促せなかったと感じる」とも指摘。「一個人または一企業が世界の公共の議論を上回る力を持つという危険な前例をつくったと感じる」と複雑な胸の内を明かした。(シリコンバレー時事)

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