文化審議会が重要民俗文化財に6件を答申
埼玉・上尾「摘田用具」、 岐阜・郡上「寒水の掛踊」、 長崎・対馬「対馬の盆踊」など
文化審議会は15日、摘田(つみた)と呼ばれる水稲のじかまき栽培などに使う「上尾の摘田・畑作用具」=埼玉県上尾市=を重要有形民俗文化財に指定するよう、文部科学相に答申した。太鼓とかねを打ちながら躍動的に踊る「寒水(かのみず)の掛踊(かけおどり)」=岐阜県郡上市=など5件を重要無形民俗文化財に指定することも求めた。
上尾市は関東平野の中央部に広がる大宮台地に位置し、水田に種もみをじかにまく摘田が1970年代前半まで行われていた。種もみを入れるザルなど750点が文化財に指定される。
重要無形民俗文化財には「対馬の盆踊」=長崎県対馬市=、「野原(のばら)八幡宮風流(ふうりゅう)」=熊本県荒尾市=も指定される。寒水の掛踊と併せ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「風流踊(ふりゅうおどり)」として追加提案する見通し。
文化審議会の答申は以下の通り。
【重要有形民俗文化財】
上尾の摘田・畑作用具=埼玉県上尾市
【重要無形民俗文化財】
放生津(ほうじょうづ)八幡宮祭の曳山・築山行事=富山県射水市▽寒水の掛踊=岐阜県郡上市▽阿波晩茶の製造技術=徳島県上勝町、那賀町、美波町▽対馬の盆踊=長崎県対馬市▽野原八幡宮風流=熊本県荒尾市
【登録有形民俗文化財】
高野山奉納小型木製五輪塔および関連資料=和歌山県高野町▽鞆(とも)の鍛冶用具および製品=広島県福山市
【記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財の選択】
用瀬(もちがせ)の流しびな=鳥取市▽松江のホーランエンヤ=松江市
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