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阪神大震災から26年「復興は終わっていない」

「よろず相談室」 運営の牧秀一さん 映像から書き起こした証言集出版

阪神大震災から26年「復興は終わっていない」

阪神大震災被災者の証言集を手にする牧秀一さん=7日、神戸市内(時事)

 1995年1月の阪神大震災から17日で26年。被災者を見守り続けてきた神戸市のNPO法人「よろず相談室」理事長の牧秀一さん(70)は昨年12月、活動の集大成として、これまで交流を深めてきた被災者らの肉声をまとめた証言集「希望を握りしめて」(能美舎)を出版した。「建物がきれいになっても人はなかなか復興できない。震災に遭うとはどういうことかを伝えたい」と語る。

 定時制高校教師だった牧さんは、震災直後に相談室を設立。仮設や復興住宅の高齢者を訪問し、震災で負ったけがの後遺症に苦しむ「震災障害者」を支援する活動を続けてきた。20年たった2015年以降、5年かけて22世帯分の証言を撮影。映像は40時間分に上った。映像を見た人から「世に出してほしい」と声が上がり、ボランティアの協力を得て、18世帯26人の体験を映像から書き起こした。

 頭上にピアノが倒れて高次脳機能障害になった娘を持つ女性や、生き埋めになった後遺症を抱えながら牧さんと共に活動する男性がありのままを語る。「震災前にどんな人生を歩み、震災後にどんな思いで生きてきたかを丸ごと聞いた。被災者がどう生き延びてきたのかを学べるものになった。神戸ではこうやったと、しっかり伝えていかなあかん」

 11年の東日本大震災後、「阪神の経験が生かせることはないか」と考え、東北の避難所や仮設住宅を訪れ、行政への支援策の助言なども行ってきた。東北の被災地の中学や高校に本を贈るため、クラウドファンディングで資金を募るプロジェクトも今年3月末まで実施する。

 昨年、NPO法人の代表を降りて「引退」すると決めた。活動を引き継ぐ若者からの相談には「人の話を聞くことはつらいけど、自分を追い詰めないこと。上から目線や下から目線はいらん」と助言している。

 被災者に必要なのは「自分が一人ではないと思うこと。訪ねてくれる人がおり、気に掛けてくれる人がいると感じること」だという。「震災直後だけでなく、地道に支援を続けていくことが大切だと知ってほしい」と訴えている。

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