«
»

仏政府はテロ警戒レベルを最高位に引き上げる

南仏ニースのノートルダム大聖堂で襲撃事件、容疑者はチュニジア人

仏政府はテロ警戒レベルを最高位に引き上げる

29日、フランス南部ニースで、刃物による襲撃事件のあった教会を訪れたマクロン大統領(右から2人目)(EPA時事)

仏政府はテロ警戒レベルを最高位に引き上げる

29日、フランス南部ニースで、刃物による襲撃事件が起きた教会周辺で、ろうそくをともす若者たち(EPA時事)

 フランス南部ニースのノートルダム大聖堂で29日、刃物による襲撃事件で3人が死亡したことを受け、仏政府は国内のテロ警戒レベルを3段階の最高位に引き上げた。同国テロ対策検事局によれば、事件当時、現場に踏み込んだ警察官らを前に、容疑者の男が何度も「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫び、身柄拘束後も同じ言葉を繰り返していた。容疑者の周辺捜査からイスラム過激派によるテロと断定して捜査を進めている。

 複数の仏メディアは、大聖堂内にいたカトリック信者を標的にしたもので、無差別テロだったとの見方を強めている。容疑者の男は1カ月前に欧州に到着したばかりのチュニジア人だったとしている。マクロン大統領は「フランスはわが国の価値観を捨てることはない」と述べ、哀悼の意を表明した。

 フランスでは今月16日に、イスラム教が禁じる預言者ムハンマドの風刺画を授業中に生徒に見せた中学校教員が、チェチェン人移民の若者に斬首される事件が起きたばかり。9月にも過激思想を持つ若者がテロを実行し、2人が亡くなっている。

 マクロン大統領が殺害された中学校教員を表現の自由の殉教者として国葬にし、最高位の勲章を授与するとともに、「風刺画をあきらめることはしない」と述べたことで、イスラム諸国ではフランス製品の不買運動が広がっている。トルコのエルドアン大統領は「マクロン氏は精神治療が必要」と語り、マレーシアのマハティール前首相は「イスラム教徒にはフランス人を殺す権利がある」と発言した。

 フランス政府は一歩も譲らない構えだが、国内外のイスラム教徒からフランスへの批判が高まっている。過激派組織がフランスを攻撃するように呼び掛けているため、政府はテロ警戒レベルを引き上げた。

 フランスでは2015年に起きた風刺週刊紙シャルリエブド襲撃テロの裁判の結審が近いことから、テロの脅威がさらに高まることが懸念されている。(パリ安倍雅信)

1

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。