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マクロン仏大統領、追悼演説「表現の自由守る」

歴史教員のサミュエル・パティさんの国葬で

マクロン仏大統領、追悼演説「表現の自由守る」

21日、パリで、テロ事件で犠牲となった教員の国葬のライブ映像を見る人々(AFP時事)

 フランス・パリ近郊で21日、イスラム教で禁じられている預言者ムハンマドの風刺画を中学校の授業で生徒に見せたことから殺害された歴史教員のサミュエル・パティさんの国葬が営まれた。マクロン大統領は追悼演説で表現の自由を守っていく姿勢に変わりないことを強調した。

 事件はパリ西郊外の中学近くで16日夕方の下校時に起き、パティさんは、モスクワ生まれの18歳のチェチェン人に首を切断されて殺害された。過激思想に影響を受ける容疑者が犯行に及んだと考えられている。

 国葬はパリ大学ソルボンヌ校でマクロン氏も出席して執り行われ、約400人が参列し、多くのテレビ局が中継した。マクロン氏はパティさんに対し「生徒たちに教えた自由をこれからも守り、政教分離を貫く。風刺画を見せる自由も諦めない」と述べ、表現の自由を守ることを強調するとともにテロに屈しない姿勢を示した。

 ネットでパティさんへの非難が拡散したことを受け、捜査当局は事件前後のソーシャルネットワーク(SNS)の書き込みなどを監視し、過激発言をしたパリ近郊のイスラム指導者(イマーム)のモスクが閉鎖された。モスク側は、このイマームは以前は聖戦過激思想に近い考えを持っていたが、今は穏健になっており、理解できないと戸惑っている。

 パティさんは国葬で最高位の勲章を国から授与されたが、表現の自由をめぐっては国内外のイスラム指導者から非難されている。ローマの多宗教指導者会議で20日に演説したエジプトのグラン・イマームのシェイク・アフメド・アル・タイブ師は、「私はイスラム教とその教え、そしてその預言者が、この凶悪な犯罪行為とは何の関係もないことを宣言する」と述べた。

 その一方、「同時に、表現の自由の名の下に宗教を侮辱し、その神聖なシンボルを攻撃することは知的二重基準であり、憎しみへの呼び掛けであると私は言いたい」と付け加えたことを保守系仏日刊紙ル・フィガロは紹介した。(パリ安倍雅信)

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