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矯正展が中止、塀の中の逸品がコロナで売れず

受刑者の更生意欲に影響、ドライブスルーやネットに活路

矯正展が中止、塀の中の逸品がコロナで売れず

受刑者の刑務作業製品。手前は市原刑務所(千葉県市原市)の乾燥シイタケ=12日午後、東京都中野区(時事)

 新型コロナウイルスの影響で受刑者が作った刑務作業製品の売り上げが減少している。全国各地の矯正展が軒並み中止となり、販売機会が激減。丹精込めて完成させた受刑者の更生意欲への影響も懸念される中、刑務所内で「ドライブスルー方式」での販売や、ネットに活路を見いだす動きも出始めている。

 札幌刑務所(札幌市)では約100ヘクタールの農地を生かし、タマネギやジャガイモなどの野菜栽培を刑務作業に採り入れている。毎年秋の同所の矯正展では即完売するほどの人気ぶりだが、今年は全国各地の矯正展が全て中止に。収穫時期を迎え、作物の売れ残りが懸念された。

 対策として、23日から始めたのがドライブスルー方式。電話で購入を予約した人が、指定の時間に所内に車で乗り入れ、刑務官が窓越しに野菜を手渡す。10キロ当たりでタマネギは500円、ジャガイモは600円で、例年通り格安が魅力だ。

 担当者は「『今年は販売しないのか』との問い合わせも多い。ニーズに応えるため、接触機会の少ない形式を採用した」と話す。

 シイタケが名物の市原刑務所(千葉県市原市)も、同様の悩みを抱える。成長過程で間引く「芽かき」を丁寧に行い、肉厚で風味豊かな味わいが楽しめると評判だが、今年度の売り上げは8月末時点で例年の3割程度にとどまっているという。

 毎月1トンは生産しているシイタケだが、昨年は台風15号の直撃で菌床が死滅する被害を受けた。2年続けての受難に、刑務作業の担当者は「受刑者は『おいしかった』という言葉を励みにしている。販売機会がなくなると、更生意欲にも影響が出てしまうのでは」と懸念する。

 こうした状況を受け、公益財団法人矯正協会(東京都中野区)では10日から、全国61カ所の刑務所や刑務支所で作った製品を網羅したインターネットの専用サイトを開設した。刑務作業協力事業部の黒田政敏部長は「社会復帰を目指す受刑者が作ったえりすぐりを出品している。ぜひ購入を」と呼び掛けている。

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