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前国王フアン・カルロス1世、現国王に亡命通告

不正疑惑追及で、現スペイン国王のフェリペ6世に伝える

前国王フアン・カルロス1世、現国王に亡命通告

スペインの前国王フアン・カルロス1世=2019年5月、マドリード(AFP時事)

前国王フアン・カルロス1世、現国王に亡命通告

スペインの前国王フアン・カルロス1世=2019年5月、ルクセンブルク(AFP時事)

 サウジアラビアとの不正疑惑の捜査対象になっているスペインの前国王のフアン・カルロス1世(82)が、スペイン国外に亡命する意向を息子の現国王のフェリペ6世に伝えた。同国王室は前国王から受け取った書簡を3日に公開した。38年間、スペイン国王の地位にあった人物が亡命を通告したことは、同国民に衝撃を与えている。

 フアン・カルロス1世の書簡には、「熟慮の末、スペイン国民、国の機関、国王であるあなたに最も良く奉仕するという信念に導かれ、今の時点でスペイン国外に亡命するという私の決断を知らせる」と書かれていた。

 サウジアラビアのインフラプロジェクトをめぐり、元愛人からの告発で明るみに出たサウジアラビアから受け取った資金の不透明な管理、スイスの隠し口座、資金洗浄疑惑などで、スペイン当局はフアン・カルロス1世に対し捜査を続けている。

 特に免責特権がなくなった2014年の国王退位以降、捜査は本格化し、スペインだけでなくスイスでも捜査されている。

 フェリペ6世は王室への国民の信頼回復のため、前国王に支給されていた高額の手当を没収し、スペインからの出国を促していたとされる。

 スペイン最高裁は6月、フアン・カルロス1世の法的責任を決めるための捜査を明らかにしたが、免責特権により退位前の行為に責任を負うことはないという。

 長期独裁を続けたフランコ総統の後を継いだフアン・カルロス1世は、1975年に国王に即位したが、国家は立憲君主制に移行し、民主化に貢献したことで人気を博した。

 しかし、高齢になるにつれて次々にメディアを騒がすスキャンダルが噴出し、14年6月に息子フェリペ6世に譲位した。(パリ安倍雅信)

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