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豪雨避難なお1400人超、仮設住宅建設に着手

仮設待ち、母亡くした男性「家を決め 線香上げたい」

豪雨避難なお1400人超、仮設住宅建設に着手

仮設住宅に運び込んだ生活用品を確認する親子=2日、熊本県球磨村(時事)

豪雨避難なお1400人超、仮設住宅建設に着手

豪雨で亡くなった母親の手作りのエプロンを手にする小田利彦さん=7月30日午後、熊本県球磨村(時事)

 記録的な豪雨に襲われた熊本県南部で、居住地域外での仮住まいを余儀なくされる被災者が、少なくとも約230世帯に上ることが分かった。豪雨は4日で発生から1カ月。1400人超が避難所で生活を続けており、県は仮設住宅の建設に着手した。ただ、親戚宅などに避難している住民も多く、住宅需要の増加が見込まれる。


 熊本県南部を襲い、多くの死者を出した豪雨は4日で1カ月を迎える。84歳の母親を亡くした同県球磨村の小田利彦さん(58)は、職場で寝泊まりしながら仮設住宅の完成を待つ。「早く家を決め、線香を上げたい」と話している。

 7月4日未明、小田さんが自宅から約20キロ離れた職場のパン屋に車で向かった時、既に前が見えないほどの土砂降りだった。やがて村内を流れる球磨川が氾濫。一緒に暮らす母美知子さんが心配になり、電話をかけたがつながらなかった。

 4日後、自宅付近から数十キロ下流で美知子さんの遺体が見つかった。「生きているかもしれない」とのかすかな希望は打ち砕かれた。

 優しい母親だった。夜明け前に仕事が始まる小田さんのため、毎日午前0時半に起きて食事を用意してくれたという。「職場で使えるように」と作ってくれたエプロンが形見となり、「いつも私のことを考えてくれた」と声を詰まらせた。

 「今もどこかにいるのではないか」と母への思いを語る。ほとんど休まず仕事に打ち込む日々を送るが、「働いている間は何も考えなくて済む。気が紛れる」という。

 自宅は全壊したが、避難所には入っていない。「通勤の手間が省ける」として、職場に泊まり続けている。手元に置くのは最低限の身の回り品だけで、線香を上げるための仏壇もない。

 美知子さんと2人で暮らした家は少しずつ片付けを進めたが、庭には泥やごみが堆積し、解体を考えている。仮設住宅への入居時期について、役場からは「3カ月後」と説明されたという。

 球磨村では25人が死亡し、7月30日時点で398人が避難所に身を寄せている。

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