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李登輝元総統の死去を機に、進む歴史的評価

台湾民主化の遺志は蔡英文総統らに引き継がれている

李登輝元総統の死去を機に、進む歴史的評価

台湾・李登輝元総統死去を大きく報じる31日付の地元主要紙(時事)

李登輝元総統の死去を機に、進む歴史的評価

選挙集会で握手を交わす民進党の蔡英文氏と李登輝元総統=2012年1月、台湾・新北市(AFP時事)

 台湾の民主化を進めた李登輝元総統(97)の死去から一夜が明けた31日、地元主要紙は「ミスター民主主義、さようなら」(リンゴ日報)などと1面トップで報じた。李氏は、日本の植民地統治を経て、国民党による一党独裁から民主体制に移行した台湾現代史を体現しており、死去を機に歴史的評価が進むとみられる。独裁と強権を一段と強める中国と対照的に、李氏の遺志は蔡英文総統らに引き継がれている。

 「李元総統の民主化の理想に対する執念と、国家主権に対する断固とした態度は、私に深い印象を残した」。蔡総統はフェイスブックにこう投稿し、「静かな革命を通じ、台湾を台湾人のための台湾にしてくれた」として、李氏に改めて謝意を表明した。

 蔡氏は李登輝総統時代、世界貿易機関(WTO)加盟に向けた政府交渉団の一員として活躍。こうした縁もあり、李氏は今年1月の総統選でも再選を目指した民進党の蔡氏を支持した。

 政界からも李氏死去に関する発言が相次いだ。李氏がかつて主席(党首)を務めた古巣の最大野党・国民党の江啓臣主席は31日、「台湾の民主主義の構造変化に深い影響を与えた」などと述べた。国民党関係者は、民主化により同党が弱体化したとして、李氏を「裏切り者」として嫌悪する傾向があるが、民主化が根付いた今の台湾の社会的雰囲気として、李氏の功績を一定程度評価せざるを得なかったとみられる。

 総統府は31日、迎賓館の「台北賓館」で8月1~16日まで市民の弔問を受け付けることを決めた。葬儀については近日中に決定する方針だ。(台北時事)

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