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球磨川の氾濫でラフティングの会社「廃業覚悟」

再開の見通しが立たず、不安の中で被災者の支援に奔走

球磨川の氾濫でラフティングの会社「廃業覚悟」

豪雨災害で開設された避難所にトマトを届ける毎床哲哉さん(左)=14日午後、熊本県球磨村(時事)

 熊本県南部を襲った豪雨による球磨川の氾濫で、ゴムボートで川を下るラフティングのツアー会社が存亡の機に直面している。押し寄せた濁流が川底の形を変え、スリリングな水の流れが失われた恐れがあるためだ。「廃業も覚悟している」。先が見えない不安を抱えながら、炊き出しなどの被災者支援に奔走する業者もいる。

 4日早朝の氾濫は「流れの激しさと緩やかさが変化に富み、流れが美しい」(関係者)とラフティングファンに人気だった球磨川の岸を深々とえぐった。透明度が高かった水は茶色く濁り、幾つもの橋を押し流した。増水の影響が落ち着くまでは、流れがどう変化するかも分からない。「ラフティングハート」(同県人吉市)社長の川口功さん(56)は「何より危険な川というイメージが付いた。年内(の営業再開)は無理、来年もどうなるか」と頭を抱える。

 球磨川は日本三大急流の一つで、年間3万人がラフティングに訪れるという人気スポット。周辺のツアー会社は約20社に上り、氾濫時に社屋や従業員が被災しながらも、ボートを出して被災者の救助に当たった所も多い。

 苦しい状況の中で、前を向く業者もいる。「ハッピーサプライズ」(同)社長の毎床哲哉さん(49)は大雨以降、SNSで協力を呼び掛けつつ、炊き出しや孤立集落への支援物資の輸送などを続けている。氾濫時は、球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者約20人をボートで移動させるなど、救助活動に関わった。

 14日には、野菜やおもちゃ、ブルーシートなどを車に乗せ、甚大な被害を受けた村内の集落に向かった。被災者から必要な物を聞き取り、SNSで寄付を呼び掛けて集めるなどした。

 営業再開のめどは立たず、廃業も覚悟しているという毎床さん。不安の中で支援を続ける理由について、腹をくくったように語った。「今はできることをやるだけだ」

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