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九州豪雨により「孤立」地域で片付けが難航

車流され「足がない」、続く雨が道路の復旧を阻む

九州豪雨により「孤立」地域で片付けが難航

浸水した住宅の片付けをする高齢の女性=13日午後、熊本県球磨村(時事)

九州豪雨により「孤立」地域で片付けが難航

自身が経営する店の被害状況について話す竪野眞紀子さん=13日、熊本県球磨村(時事)

 熊本県南部を中心に甚大な被害が出た豪雨で、球磨川の氾濫などにより道路が閉ざされ一時孤立した地域では、家屋の片付け作業が進んでいない。降り続く雨で道路の復旧に遅れが出ている上、車両が水没したり流失したりして「足」もないからだ。住民らは悲痛な声を上げている。

 氾濫した球磨川沿いにある熊本県球磨村一勝地では標識が傾き、流木が引っ掛かった橋や崩落した道路が被災当時のまま残る。川沿いに住む宮本宣彦さん(64)はこの1週間、浸水した畳や家財道具などの片付け作業に追われた。「めどは立った」というが、道路の寸断で、災害ごみを隣接する山江村の集積所まで運べず困った様子。自営業堅野眞紀子さん(69)も「ガソリンが届かないため車で移動できず、先が見通せない」と不安をのぞかせた。

 約3300人が住んでいた八代市坂本町。球磨川沿いを走る国道や県道の崩落、橋の流失などで孤立状態に陥った。坂本町坂本に住む谷口義明さん(87)は平屋の自宅が浸水。一緒に暮らす息子夫婦の車は水没し、「家に戻る足がなか」と市内の避難所で肩を落とし、「身一つで逃げ、長靴もない。片付けに行けても断水で泥も落とせない」と暗い表情を浮かべた。

 熊本県によると、八代市坂本町では半数の地区で断水が続く。県は一時、市街地に延びる国道を開通させたが、11日の大雨で再び崩落。断続的に降る雨で「復旧のめどは立っていない」(道路保全課)という。また、山間部の高齢化も復興を阻む要因となっている。65歳以上の住民は、球磨村が5月末時点で全体の5割近く、八代市坂本町が6月末時点で6割近くを占める。

 「若い人手が足りない」。八代市坂本町坂本で13日午後、浸水した自宅1階の片付けに当たっていた道野紗喜子さん(41)はこうつぶやいた。乗用車と軽自動車の2台が水没したといい、この日はレンタカーで自宅まで駆け付けた。周囲の高齢世帯は戻ってきていないという。「途方に暮れている感がある」。手が付けられていない家屋を眺め、近隣住民を案じていた。

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