«
»

熊本豪雨の避難所で密集回避やマスク着用

コロナ禍の災害に試行錯誤、対策徹底も懸念は拭えず

熊本豪雨の避難所で密集回避やマスク着用

新型コロナウイルス感染防止のため、ボランティアセンターでは検温が実施され、参加は県内在住者に限られた=10日、熊本県人吉市(時事)

 熊本県南部を中心に大きな被害を出した豪雨は、新型コロナウイルス禍の中で初の大規模災害となった。避難所での密集回避やマスク着用。被災地では感染対策に気を配りながらの支援が続いた。

 約700人が身を寄せた人吉市の人吉スポーツパレス。1000人超が避難可能だが、「密」を避けるため収容人数を制限し、大アリーナだけでなく武道館などに分散して受け入れた。通常は使わない2階席も利用して間隔を確保し、体調不良者には別室を用意。建物に入る際は消毒や検温を徹底し、マスクも配布して着用を呼び掛けた。

 それでも不安を漏らす人はおり、大アリーナに避難する女性(75)は「夜は片付けの人も戻り、密だと感じる。暑くても不安でマスクは外せない」と浮かない表情。感染を気にして車中泊する人もいるが、運営職員は「室内の人は連絡先を書いてもらうが、車だと把握し切れない」とこぼす。

 約4200人を派遣した自衛隊は、集団感染が起きたクルーズ船の医療支援でも成功した消毒の徹底とマスク着用を感染対策の中心に据える。ただ、救助や捜索の現場は高温多湿で、指揮官の判断でマスクを外した作業も認めた。避難所に開設した入浴施設は、同時に利用する人数を制限し、脱衣場にも間仕切りを新たに設置。陸自の担当者は「被災地での感染はしゃれにならない。防疫には特に気を使う」と話した。

 ボランティアにも制限がかかる。芦北町社会福祉協議会は6日から参加者の受け入れを始めたが、感染対策で当面は県内在住者のみの募集。事前に電話で、連絡先や体調、県外移動歴の登録を求める徹底ぶりだ。現地手続きは屋外で、実際の作業も少人数で分散して行う。作業中のマスク着用を求めているため、これまでより熱中症対策にも注意しているという。

 ボランティアセンターの男性職員は「感染例がなかった地域だけにやむを得ない」と話しながらも、復興への影響を懸念。「厳しい制限は善意を遠ざけないか。十分人手が確保できるだろうか」と不安を口にした。

2

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。