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球磨川氾濫が医療に打撃、球磨病院にも濁流 

職員被災も「地域守る」、診療の早期再開に向けて急ぐ

球磨川氾濫が医療に打撃、球磨病院にも濁流 

営業している薬局について説明する球磨病院の和田桂子看護部長。外来診療などは中断したが、薬の定期処方のみ始めた=8日午前、熊本県人吉市(時事)

 氾濫した球磨川は、住民の健康を支える医療機関も襲った。地域医療の中核を担う球磨病院(熊本県人吉市)は1階が水没し、外来診療の中止を余儀なくされた。「命に関わる患者もいる。早く再開させないと」。職員らは早期の診療再開に向けた準備を急いでいる。

 「危険水位に到達したようです!7階会議室に集まってください!」。和田桂子看護部長は4日午前6時1分、病院幹部18人でつくるLINEグループにメッセージを送った。前夜からの大雨で川が増水。道路は寸断され、早朝、病院に駆け付けることができたのは半数以下だった。

 徐々に病棟内へと流れ込む水。当直だった災害担当職員の指示で、看護師らは玄関や部屋の入り口にマットなどを敷き詰め、必死に水をせき止めた。だが、午前8時半ごろ急速に川の水位が上昇。濁流が押し寄せ、裏口のガラスを突き破った。

 隣接する系列病院と合わせ、入院患者230人はいずれも3階以上の病室にいて無事だった。ただ、上階への移動が困難だったレントゲンなど一部の診察機材は使えなくなった。泥まみれのカルテは判読しにくく、1日100人は訪れていたという患者の外来診療は中止せざるを得なくなった。

 職員らも被災者で、生活再建もままならないが、同病院は7月下旬の外来再開を目指している。より被害が大きかった市内の別の病院から入院患者の受け入れも開始。カルテが失われた患者については、「お薬手帳」を基に薬の処方を始めた。透析治療の中断が長引けば、命の危険に関わる患者もいるためだ。

 県によると、人吉市と周辺の2町では、計20医療機関が浸水などの被害に遭った。多くの住民が医療体制の回復を待ち望んでいる。和田看護部長は「ここは地域に根差した病院。早く再開させなければ」と力を込めた。

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