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再興を模索、「クジラの町」の苦境は続く

商業捕鯨再開から1年、新型コロナ禍が観光に打撃

再興を模索、「クジラの町」の苦境は続く

買い物客に応対する鯨肉販売店の店主(右)=23日、山口県下関市の唐戸市場(時事)

 待望した商業捕鯨再開から1年。捕鯨の伝統が受け継がれる沿岸の自治体は、再開をてこに地域経済の再興を模索している。しかし、新型コロナウイルスが観光・飲食業に与えた打撃は大きく、「クジラの町」の苦境はしばらく続きそうだ。

 かつて母船式の南極海捕鯨の基地として栄えた山口県下関市。普段なら週末は観光客でにぎわう唐戸市場では5月、閑古鳥が鳴いていた。場内にある鯨肉販売店の店主は「鮮度も味も良くなったのに、休業を余儀なくされたし、そもそも観光客が来なかった。今は少し良くなったが、元に戻るには時間がかかりそうだ」と渋い表情だ。

 同月には市内の飲食業界が中心となり、鯨肉消費拡大を目指す協議会が発足した。前田晋太郎市長は「どこに行っても気軽にクジラが食べられる町に」と張り切る。ただ、飲食店は「鯨肉消費に大きな動きを期待するのは難しい」(鯨肉料理専門店)と冷ややかだ。

 古式捕鯨発祥の地として知られる和歌山県太地町も新型コロナの重圧に苦しむ。沿岸小型捕鯨を営む貝良文太地町漁協参事は「昨年は問い合わせが多く、価格も良かった。しかし、今はがたがたで、良質な物ほど売れない」と落胆する。

 同町の鯨肉加工メーカーは「飲食店に加え、ホテルや土産物店向けが駄目で、売り上げは半減」と嘆く。

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