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東芝・信州大、がん細胞標的のカプセルを開発

実証実験では世界初、治療遺伝子を効率運搬、実用化急ぐ

東芝・信州大、がん細胞標的のカプセルを開発

東芝と信州大が開発したがん細胞標的の微小カプセル(東芝提供・時事)

 東芝と信州大学は29日、がん細胞を狙って治療遺伝子を届ける微小カプセルを開発したと発表した。実証実験では世界で初めて血液のがんである白血病のがん細胞を標的に同遺伝子を届けることに成功。3年以内に臨床試験を始め、実用化を急ぐ。

 従来の遺伝子治療では、遺伝子のベクター(運び役)としてウイルスを使うのが主流で、製造や治療過程で感染症を引き起こすリスクもゼロではない。今回開発したカプセルは人工化学合成物で作られており、安全に量産できる。

 信州大医学部の中沢洋三教授は「ウイルスを使わずにがん細胞を死滅させる遺伝子治療の研究は始まったばかりで、世界のトップ集団を走っている」と強調した。

 微小カプセルは「リポソーム」という直径約100ナノメートル(ナノは10億分の1)の人工膜。東芝が独自設計した6種類の脂質を主成分とする。正常細胞には影響を与えず、優先的にがん細胞内に入り込んで分解され、治療遺伝子を届けることができる。

 動物実験ではがん細胞を死滅させる遺伝子を内包したリポソームをマウスに投与したところ、白血病のがん細胞の増殖を抑制する結果が出た。脂質の配合を変えることで、さまざまながん細胞に入り込んで治療する効果が期待されるとしている。

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