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「一国二制度」改めて拒絶、蔡総統が2期目就任

台湾海峡の「現状維持」路線を強調、公式対話の再開も

「一国二制度」改めて拒絶、蔡総統が2期目就任

20日、台北の総統府で行われた就任式で宣誓する台湾の蔡英文総統(総統府提供・時事)

 台湾の蔡英文総統は20日、2期目入りした。蔡氏は就任式で宣誓した後、内外に向けて演説し、関係悪化が続く中国について、「北京当局が『一国二制度』によって台湾を矮小(わいしょう)化し、台湾海峡の現状を破壊することを受け入れない」と主張。中国が掲げる一国二制度による中台統一方針を改めて拒絶した。

 蔡氏は一方で、「平和で安定的な台湾海峡の現状を維持することが、われわれの一貫した立場だ」と、独立でも統一でもない「現状維持」路線を堅持すると強調。中国の習近平政権には「両岸(中台)関係の長期的発展に向けて、相応の責任を負ってほしい」と訴えるとともに、断絶が続く公式対話の再開を呼び掛けた。

 これに対し、中国国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は20日、「われわれは一国二制度による平和統一の基本方針を変えない」とする談話を発表。「どんな形の独立・分裂活動も許さない」とくぎを刺した上で、「台湾同胞が祖国(中国)でより多くのチャンスを享受できるようサポートする」と秋波を送った。

 今年1月の総統選で再選された民進党の蔡氏は、選挙直後から世界で感染が拡大した新型コロナウイルス対策に取り組み、封じ込めに成功。その手腕が国際社会から高く評価されている。演説では、感染対策で生活上の不便を強いられている人々に向け、「(マスクを買うために)薬局に並んだ一人一人に感謝する。皆のおかげで、台湾は世界の中で揺るぎない存在になった」と、政府への協力に謝意を示した。

 新型コロナ対策の成功により、蔡氏の支持率は各種世論調査で軒並み6割以上をキープするなど、追い風の中での2期目スタートとなった。当面は、新型コロナの影響で減速が鮮明な景気の回復に取り組むことになる。

 台湾総統は連続しての3選が禁じられており、任期は2024年5月までの4年間。就任式は、新型コロナで海外から来賓を呼べないことなどから、規模を縮小して開催された。副総統には、頼清徳・前行政院長(首相)が就任した。(台北時事)

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