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構想約70年、曲折を経て「八ツ場ダム」あす完成

群馬県長野原町で、水害・渇水対策の多目的ダム本格運用

構想約70年、曲折を経て「八ツ場ダム」あす完成

国が建設し、31日に完成する八ツ場ダム(八ツ場あがつま湖)=26日、群馬県長野原町(小型無人機で撮影・時事)

 国が群馬県長野原町で建設を進めていた多目的ダム「八ツ場ダム」が31日に完成する。建設計画が浮上した1952年以降、旧民主党政権時代に事業の是非が議論となるなどの曲折を経てきた。建設費用は約5320億円。4月1日から本格的な運用が始まり、利根川下流に位置する首都圏の治水と水源確保などに活用される。

 八ツ場ダムは47年に関東・東北地方を襲ったカスリーン台風の被害を受けて、国が計画。建設に反対する地元の声もあったが、水没する地域の住民との補償交渉が2001年に合意に達し、建設へ大きく動きだした。「コンクリートから人へ」を掲げた旧民主党政権では、前原誠司国土交通相(当時)が建設中止の方針を打ち出したが、地元の住民や首長らの反発を受け11年に撤回された。

 15年に本体工事が始まり、19年6月に完了。有効貯水容量は9000万トンで、利根川上流のダム群の中でも比較的大規模となる。近年は台風の襲来や豪雨が頻発し、首都圏で広域的な浸水被害が発生しているほか、21年の東京五輪では水道需要の急増が見込まれる。このため、水害・渇水対策としての効果が期待されている。

 19年10月からは試験的に水をためる作業が行われた。直後の台風19号では、八ツ場を含めた上流のダム群の貯水により、利根川の水位を約1メートル下げるなど一定の治水効果を発揮した。

 運用開始に当たり、国交省は関係者を集めた竣工(しゅんこう)式を開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染防止のため延期する。

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