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アフガンNGOが中村哲医師の功績を絵本に

「自身を犠牲に社会変革」、NGO「ガフワラ」が出版へ

アフガンNGOが中村哲医師の功績を絵本に

出版した絵本を手にするアフガニスタンのNGO「ガフワラ」創設者ザビーフ・マハディさん=2019年7月、カブール(本人提供・時事)

 アフガニスタンの砂漠緑化や医療支援に取り組むNGO「ペシャワール会」(福岡市)の現地代表で、昨年12月に銃撃され死亡した中村哲医師当時(73)の功績を語り継ごうと、アフガンのNGOが絵本を出版する。中村医師の理念を子供に伝え、紛争が続くアフガンを変革する希望を持ってもらうのが目標だ。

 絵本を制作するのは、地元NGO「ガフワラ」。6月に中村医師の絵本「カカ・ムラド」(中村のおじさん仮称)をダリ語とパシュトゥー語で計2500部出版する予定だ。中村医師の人柄や、アフガンでの約30年にわたる貢献を紹介する内容になる。日本語への翻訳と日本での出版も視野に入れている。

 ガフワラの設立者で中村医師とも親しかったアフガン政府職員ザビーフ・マハディさん(31)は、「日本に住み続けていれば安全で快適な暮らしができたはずだ。それでも自身を犠牲にし、アフガンを変えてくれた」と中村医師に感謝している。絵本を通じ「自身の欲望など何かを犠牲にして社会を変えていかねばならない」というメッセージを伝え、宗派や軍閥の間で争いが絶えないアフガンを変える原動力にしたいと意気込む。

 ガフワラは、外国作品を翻訳したり、独自の物語を作ったりし、情操教育に欠かせない良質な絵本を入手できないアフガンの子供たちに届けてきたNGO。中村医師の絵本出版には、途上国で食品や雑貨の生産指導を行い、製品を輸入する日本の大手通販会社フェリシモ(神戸市)が資金協力し、アフガンの学校や幼稚園に無償配布する。

 フェリシモは、これまでも売り上げの一部を基金に積み立て、国際協力機構(JICA)の仲介でガフワラに資金援助してきた。特設サイト(https://www.haco.jp/landp/index.html)掲載の対象商品の売り上げが伸びれば、ガフワラが中村医師の絵本を増刷できる可能性があるという。(ニューデリー時事)


アフガンNGOが中村哲医師の功績を絵本に

中村哲医師(時事)

中村哲医師略歴

 1946年、福岡市生まれ。福岡県内での病院勤務などを経て83年、パキスタンでの医療活動を支援するNGO「ペシャワール会」を結成。後に対象範囲をアフガニスタンにも広げた。病気の予防には食料事情改善が必須と判断し、アフガン東部で用水路建設や河川改修を行い、1万6000ヘクタールの砂漠を緑化。自ら先頭に立って工事を行った。2019年にアフガン政府が名誉市民権授与。同年12月、アフガン東部ナンガルハル州で銃撃を受け、死亡した。(時事)

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