フランス流スリリングな恋の駆け引き、結末は?
映画「パリの恋人たち」、第31回東京国際映画祭で上映
ジャーナリストのアベルは、3年近く同居している恋人マリアンヌから突然、別れを告げられる。理由は、「妊娠」。さらにその子は、アベルの親友ポールの子だという。
数年後、ポールの訃報が届く。マリアンヌの傍らには息子のジョゼフがいた。悲しみに沈むマリアンヌの姿を見てアベルは、まだ彼女のことが忘れられないでいる自分に気づく。そして、アベルを見詰めるポールの妹エヴがいた。少女の頃から、アベルに夢中だったエヴもすっかり成長していた。
ある日、ジョゼフが「パパを殺したのはママ」と告げる。子供の戯言と思っていたが、日がたつにつれ疑惑の念にさいなまれる。そんな中、マリアンヌがなぜポールを選んだのか。アベルはエヴとマリアンヌに翻弄(ほんろう)されていく。
フランス流の恋の駆け引きは、艶やかな甘美さの中に非常にスリリングなところがある。日本や米国のハリウッドにはない独特のテイストがある。それぞれの女性たちのしたたかさぶりとそれに翻弄される男たち。その姿は滑稽でもある。
主人公アベルを演じるのは、今作で監督も務めたルイ・ガレル。父はフランスを代表する映画監督フィリップ、母は女優のブリジット・シィというフランス映画界期待のサラブレッドだ。
マリアンヌには、ルイ・ガレルと実生活でもパートナーであるレティシア・カスタ。エヴにジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘・リリー=ローズ・デップ。
第31回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映、第66回サンセバスチャン国際映画祭コンペティション部門脚本賞受賞作品。12月13日よりBunkamuraル・シネマ他全国公開中。(佐野富成)
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