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鈴木典行さん「震災の教訓を世界に伝えたい」

聖火ランナーに内定、亡き次女真衣さんと共に走る

鈴木典行さん「震災の教訓を世界に伝えたい」

東日本大震災の津波で亡くなった次女の写真を手にする、聖火ランナーに内定した鈴木典行さん=12日午後、宮城県石巻市(時事)

鈴木典行さん「震災の教訓を世界に伝えたい」

鈴木真衣さん=2011年3月撮影(鈴木典行さん提供・時事)

 2020年東京五輪の宮城県内の聖火ランナーに内定した石巻市の会社員鈴木典行さん(54)は、東日本大震災の津波で次女真衣さん=当時(12)=を亡くした。語り部として活動を続ける鈴木さんは「娘と一緒に被災地を走り、教訓を国内外に伝えたい」と決意を新たにしている。

 鈴木さんは、県の実行委員会が12日に内定通知を出した約60人のうちの一人。現在は、防災や減災のための器具を製造する会社に勤めている。

 市立大川小学校6年だった真衣さんは、避難途中で濁流にのまれた。震災の2日後、学校裏山の斜面に積もる泥の中から両手で掘り起こした娘の顔は眠っているように穏やかで、眼鏡も掛けたままだった。鈴木さんはこの時の心境を「今も言葉にすることはできない」と言う。

 大川小では児童74人、教職員10人が犠牲に。鈴木さんは震災後、遺構となった校舎で、子供たちが巻き込まれた状況や防災の大切さを伝える語り部をずっと続けている。「子供が犠牲になるなんて二度とあってはいけない。災害から命を守るためにやるべきことを知ってほしい」。ランナーとして国内外に伝えたいと願う。

 地元のバスケットボールチームに所属していた真衣さん。鈴木さんはコーチを務め、一緒にスポーツを楽しんできた。

 「ランナーに選ばれたことはうれしいし、真衣も喜んでくれると思う」とほほ笑む。当日は、震災の日に真衣さんが自宅に忘れていった名札を付けて走るつもりだ。

 聖火が県内を通過するのは来年6月20~22日。鈴木さんが走る区間は2月以降に知らされる。

 「できれば石巻を走って、同じようにつらい思いをした遺族や被災した方々が少しでも笑顔になれるようにしたい」と力強く語った。

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