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「飯舘村ににぎわいを」 原発事故避難指示が解除

73歳の佐々木千栄子さん、亡き夫と経営の飲食店を再開

「飯舘村ににぎわいを」、原発事故避難指示が解除

福島県飯舘村で飲食店を再開した佐々木千栄子さん(時事)

 東京電力福島第1原発事故で一時全域避難となった福島県飯舘村。2017年3月に大部分の避難指示は解除されたが、戻る人は一部にとどまる。こうした中、村から避難し、現在福島市に住む佐々木千栄子さん(73)は、同村佐須地区で事故前に亡き夫と営んでいた飲食店を再開した。「にぎわいを取り戻したい」。店には村外からも客が訪れている。

 飲食店の名は「気まぐれ茶屋ちえこ」。14年前にオープンし、夫婦で作った野菜を千栄子さんが調理して地元客に提供してきた。だが、11年の原発事故で一変。千栄子さんと夫の勝男さんは一家で福島市に避難したが、勝男さんは12年9月、避難先で75歳で亡くなった。

 千栄子さんは村の大半の避難指示が解除された翌年の18年11月、店の再開に向け準備を開始。7年以上放置され、穴だらけになった天井や損傷した土台を自分で修理し、今年5月に再開にこぎつけた。

 店内にはいろりを置き、着物を飾るなど地域色豊かな内装にし、避難生活で仲良くなった友人と共に、手作りの煮物や漬物、ごまあえなどの料理を提供する。事故前はテレビ番組で取り上げられるほど人気だった手製のどぶろくも、息子が継承し販売を始めた。

 店を再開したのは、長年苦楽を共にした勝男さんに対する思いもある。「店も一緒につくったし、あらゆることをやってもらった」と振り返り、「ここに来ると安心する。思い出がいっぱいある」と話す。店には村外からの客も集まる。「帰ってきた人も村外から来た人も、皆が集まって楽しむ場所になってもらえれば」と期待を寄せている。

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