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乳児用液体ミルクの店頭販売、8年越し実現

福島の食品スーパーなどで、震災時は緊急輸入できず

乳児用液体ミルクの店頭販売、8年越し実現

取材に応じるヨークベニマルの大高善興会長=2月28日、福島県郡山市

乳児用液体ミルクの店頭販売、8年越し実現

江崎グリコが発売した液体ミルクを飲む乳児=11日、東京都墨田区

 乳児用液体ミルクの店頭販売が国内で始まった。東日本大震災発生直後、セブン&アイ・ホールディングス傘下の食品スーパー、ヨークベニマル(福島県郡山市)は、当時未認可だった液体ミルクの緊急輸入を目指したが断念した経緯がある。大高善興会長は8年越しで国内販売が解禁されたことに「やっと実現した」と語った。販売店は今後、段階的に広がっていく見通しだ。

 8年前、地震と津波に続いて東京電力福島第1原発事故が発生すると水道水汚染への不安が高まり、スーパーにはペットボトル入りの水を求めて長蛇の列ができた。当時社長だった大高氏が「安全な水を求め、赤ん坊を抱いて並ぶお母さんたちがかわいそうだ」と悩んでいた3月下旬、世界最大の食品企業ネスレ(スイス)から液体ミルク提供の申し出があった。

 4月1日には、宇都宮市で指揮を執っていた大高氏を、岡田元也イオン社長が「お見舞い」として訪問。大高氏がミルク輸入への協力を求めると、岡田社長は「普段はライバルだが、赤ちゃんのために力を合わせよう」と快諾したという。

 しかし、政府への働き掛けは実らず「安全性を確保できない」と輸入許可は見送られた。大高氏は当時を振り返り、「『世界各地の被災地に支援物資を送っているが、断ったのは日本が初めて』とネスレに言われた」と苦笑する。

 液体ミルクは粉ミルクに比べ割高だが、大高氏は「災害時以外でも赤ちゃんが夜泣きした時にすぐに飲ませられ、旅先でも便利だ」と利点を強調している。

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