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日露戦争当時のロシア人将校と日本女性の恋

映画「ソローキンの見た桜」、日露合作プロジェクト

日露戦争当時のロシア人将校と日本女性の恋

ソローキン(左、ロデオン・ガリュチェンコ)と武田ゆい(阿部純子) ©2019「ソローキンの見た桜」製作委員会

 日露戦争当時、戦線で捕らえられ、捕虜となったロシア兵らが日本に連れてこられた。その数は7万人に上ったといわれ、最初の捕虜収容所となったのが四国の松山。

 この映画は、負傷して連れてこられたロシア将校ソローキンと、看護に当たった日本女性武田ゆいとの恋の物語だ。

 克明に描かれるのは、ロシア人と日本人との文化摩擦だが、日本には武士道の気風が残っていて、敵国兵に対する扱いは捕虜という次元を超えたもの。日本が重視したのはハーグ条約で、捕虜には博愛の心を持ち、侮辱虐待を加えてはならないという条文だった。

 ゆいは従軍した弟が戦死する悲しみを負ったが、ソローキンとの出会いは運命的で、日本の風習を超えて恋をする。ソローキンは捕虜に紛れて日本に入った密使で、日本側の援助を得ようとしていた。

 物語は二つの時代をつないでいく。2018年、ゆいの子孫・高宮桜子はTVディレクターでロシアに取材に行こうとしていた。興味を持てずにいたところ、祖母からゆいのルーツが松山にいたロシア兵にあることを知らされ、残された祖母の母の日記からロシア兵と出会いを知るのだ。

 ソローキンが日本にいたのは1904年5月から05年2月まで。ゆいはその日記を持ってソローキンの足跡を探していく。日露合作プロジェクト。日本人とロシア人との演技の質感の違いが、文化の違いを表現していて興味深い。井上雅貴監督作品。

 3月22日(金)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー、同16日(土)愛媛県先行ロードショー。

(岳)

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