ワシントン・タイムズ・ジャパン

栄華をしのぶクレオパトラ・フェスティバル

海中に沈んだ宮殿「世界初の海底博物館」建設へ

 エジプト第2の都市アレキサンドリアで9月30日、、エジプト・プトレマイオス朝(紀元前305~30年)の最後の王として国内外に超強烈な印象を残したクレオパトラ7世を偲ぶ、「クレオパトラ・フェスティバル」が行われた。

 主催はエジプト旅行協会で、外国人記者クラブも共催者の1つ。国際観光日を記念して行われた同フェスティバルがアレキサンドリアで行われたのは初めて。

 豪華絢爛たる衣装に身を包んだクレオパトラと従者、侍女たちの行列は当時の栄華を再現したものだ。クレオパトラ7世に扮したのはナタリエ・イハブさん。現地アメリカン大学の学生で、ファラオの従者、侍女など他の出演者も同校の学生である。当時の衣装や独特の動きを再現しながら、海岸沿いの道を約1キロに渡って行進した。このために学生らは約3カ月にわたって練習したという。

 パレードの出発地点は、クレオパトラ時代に船舶に光を送って安全な航行を導いた岬の先端にある灯台(現在は海中に沈んでいる)の上に新たに建てられた、現在「カイト・ベイ」と呼ばれる建造物がそびえる地点。

 到着点は、かつてクレオパトラが居住した宮殿があったと推定されるアレキサンドリア沖の海上だ。宮殿は5世紀に起きた巨大地震で海中に沈んだとされ、1996年11月にフランスの海洋考古学者フランク・ゴッディオ氏によって岸から8メートル、水深5~6メートルの海底で発見された。

 その後の調査では、延べ1000人以上のダイバーが参加して、小型のスフィンクス像や大小の花崗岩製の石柱、ファラオ像や女神像、素焼きの壷の数々、指輪やコインなどの金銀の製品など約1000点が引き上げられた。

 2001年からはアレキサンドリア港内での潜水が許可され、一般の観光客も遺跡を潜水見学できるようになった。これまでに見つかった遺物の大半はそのままの状態で海中に残されているという。

 「世界初の海底博物館」の建設計画もある。アレキサンドリアはそもそも、アレキサンダー大王によって紀元前331年に建設され、プトレマイオス朝時代の人口は約35万人を超える大都市だった。

 フランク・ゴッディオ氏は当日、記者会見し、海底博物館建設に向けた国内外の協力を訴えた。

 今後は毎年9月30日に同フェスティバルが開催される。世界初の同博物館の建造とフェスティバルの定着・拡大によって、観光客増大が期待されている。

(アレキサンドリア・鈴木眞吉)

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