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ハンガリーの近代国家の歴史はここから始まった

 ハンガリーが近代国家として独立したのは今から160年以上の昔、1848年3月15日だ。ハンガリー国立博物館前に1万人以上の国民が集まり、ハプスブルク王朝支配からの独立を要求したという。

 当時、オーストリアのハプスブルク家の支配下にあった。この革命と自由の戦いは同年にヨーロッパで起こった一連の反乱の一部だった。2月にフランスで始まったいわゆる2月革命が引き金となり、これがベルリン、そしてウィーンへと飛び火し、ヨーロッパ全土に波及して行ったのである。

 ハンガリーは10世紀末にハンガリー人の君主イシュトヴァーン1世によって建国され、中部ヨーロッパの強国に成長するが、13世紀にはモンゴルの来襲を受け、15世紀後半からはオスマン帝国に侵入され、ハプスブルク家が北部、オスマンが南部を支配して国土が分割されるなど、紆余曲折を経て、1848年に近代国家として独立を果たした。ちなみに、独立後、共産党政権となり、ソ連共産圏に組み込まれたが、1980年代になって民主化運動が進み、1989年、社会主義と決別し、1999年に北大西洋条約機構(NATO)に、2004年には欧州連合(EU)に加盟した。

 国会議事堂前の広場には9時前から、この1848年の建国記念日を祝うべく、多くの国民が詰めかけていた。記念行事は既に始まっており、議事堂の中には入れず、遠くから写真を撮るのが精一杯だった。ブダペストの街中では数多くの催し物が開催されており、1日中、賑わいを見せていた。平日にもかかわらず、観光客の姿も多く見られた。

 歴史を振り返ってみると、ハンガリーという国はまだまだ出来たばかりのようだ。タロス・ブダペスト市長は、「今日でも、私たち(ハンガリー国民)は目標を達成するため、奮闘し続ける必要があります。勇敢な人だけができます」と議事堂前での講演で訴えかけていた。そして「平和と自由と合意があるように」と革命家の言葉で結んだ。

 まだまだハンガリーはマイナーな国。この国にいなければ、この記念日は知ることができなかった。ヨーロッパと一括りにするが、一つひとつの国で起きた出来事は様々で、その国にいないと分からないことも勿論ある。今回は、ハンガリーにいたからこそ知ることができた記念日であった。

 街中にはハンガリー国旗の色でデザインした「バッチ」を胸に付けた人々を多く見かけた。国民はハンガリーという国を大事にしているよう思える。一方で、この日のことを殆ど知らない若者もいるとのことである。

 住んでみて色々と分かってきたこの国の事情。魅力がいっぱいの国である。

おき・れもん

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