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史跡と絶景の宝庫 歴史と国境の島、壱岐・対馬を巡る

 古くから朝鮮半島との交易地として栄えた、長崎県・壱岐、対馬。豊かな自然と魅力的な観光地が詰まった2島を旅した。

 出発地点は、玄界灘に突き出た佐賀県唐津市の東松浦半島。豊臣秀吉が朝鮮出兵の要所として陣を置いた名護屋城跡がある。見晴らしの良い天守台から望む海の向こうにかすかに壱岐が見える。

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 唐津からフェリーで約2時間揺られ壱岐に到着。中国・三国時代の歴史書「魏志倭人伝」に「一支国(いきこく)」として登場する壱岐は、米や野菜、魚、牛など豊かな生活資源に恵まれた王国として栄えた。

 島内には、当時を知ることができる遺跡などが多く残されており、中でも国指定特別史跡に指定されている「原の辻一支国復元公園」は、弥生時代の人々の暮らしを等身大で体感することができる。

 また、猿の横顔にそっくりな「猿岩」や、海水浴客で賑(にぎ)わう清石浜海岸など、観光地も豊富だ。

 壱岐から水上ジェット船で1時間ほど進むと対馬に到着する。壱岐とは対照的にごつごつした岩山が多く、島全体が山岳地帯のような形状をしている。浅茅湾(あそうわん)北岸に位置する烏帽子岳(えぼしだけ)展望台は、複雑な入り江と、無数の島々が形成するリアス式海岸の絶景を360度見渡せる人気のスポットだ。

 北端の「韓国展望所」では、対馬海峡の向こう側に釜山の街並みを見ることができた。

 さらにそこから数分の所には「日露友好の丘」がある。両国が設置した日露戦争の合同慰霊碑には、重傷を負ったバルチック艦隊司令長官ジノヴィー・ロジェストヴェンスキーを東郷平八郎が見舞い、互いに手を取り合ったシーンが彫られている。

 古代からの悠久の歴史と、島国日本ではなかなか実感の湧かない「国境」を肌で感じる旅となった。

(写真と文・川瀬裕也)

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